STS Osaka Action
関西STS連絡会から


関西STS連絡会です。
今年もよろしくお願いします。

2月開催(於:大阪)のセミナー、及びワークショップのご案内です。
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《2011福祉有償運送セミナー》
「障害者の移動について考える~障害者総合福祉法・交通基本法のめざすもの~」
 2009年の政権交代からスタートした「障害者制度改革」の議論は、「障害者基本法」(1970年制定)の「個人の尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有する」という理念を基本に、「障害者権利条約」(2006年国連採択)にかんがみ「障害者自立支援法」(2006年施行)を抜本的見直し(廃止し)、「障がい者総合福祉法」の法整備に向けた議論へと進んできました。こうした流れのなかで、「障害者自立支援法」下では「障害者が普通に暮らせる社会に」という表現に止まっていた現行法からの脱皮をはかり、社会参加に不可欠な移動支援の保障の明文化にまで、制度改革推進会議での議論が進められてきたのです。
 しかしながら2010年12月に参議院で成立した障害者自立支援法「改正」法案は、“新法へのつなぎ”どころか自立支援法の延命、復活に道を開く危険性を秘めたものとなっています。
 一方、2009年に「移動の権利」を根幹にすえた交通基本法検討会が国土交通省でスタートされ、その「中間整理」(2010年3月、国交省)には「移動権を法律に位置づけ、これからの交通政策の道しるべとなる交通基本法を制定」と明言し、「“移動権の保障”が交通基本法の原点」と強調されてきました。
 しかし、こちらも「交通基本法案の論点」(2010年12月、交通基本法案検討小委員会)では「少子高齢化・人口減少などの深刻化が社会の有り様を根底から変える時代の到来」とし、「このような転換期における交通施策の基盤となるのが交通基本法」(基本認識)としながらも、2011年に提出される交通基本法案には「移動権」の保障規定が“現時点では時期尚早”として見送られることになっています。
 現在なされている政府の施策論議のゆれ動きの現状と、私たちの日常生活における“移動”をめぐる実態を対比させ、講師としてお招きした尾上浩二さんのお話をお聞きしながら、これからの課題を共に考えていくためのセミナーです。ぜひともご参加ください。

■名 称:「障害者の移動について考える~障害者総合福祉法・交通基本法のめざすもの~」
■と き: 2011年2月5日(土)13:00~14:50
■ところ: 茨木市立福祉文化会館 4階 会議室(大阪府茨木市駅前4丁目7番55号)
■講演:「障害者総合福祉法・交通基本法のめざすもの」
  講師:尾上浩二さん(内閣府障害者施策推進会義・構成員/NPO法人 DPI日本会議事務局長)
■定 員:50名(参加費:無料)
■主 催:関西STS連絡会
■お問合せ:関西STS連絡会 TEL/FAX 06-4396-9189(かきくぼ)
※参加「申込用紙」、会場地図はココから
http://www.e-sora.net/k-sts/2011ibaragiseminer(ura).pdf

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「生活支援交通づくりのワークショップin大阪」
 さて、私ども関西STS連絡会も幹事団体として協力しているNPO法人 全国移動サービスネットワークが主催して催されます2月の『生活支援交通づくりのワークショップin大阪』に関してのご紹介と、ご協力のお願いを申し上げる次第です。
 今回のワークショップ開催は、全国移動ネットとして新たなサービスの創出をキーワードにコミュニティバス、デマンド交通、福祉有償運送、過疎地有償運送など、全国各地の意欲的な取り組みを取材するツアーを実施してきた内の九州での5事例の取材を通じたフィールドワーク報告と、北川博巳氏(兵庫県立福祉のまちづくり研究所主任研究員)による「地域福祉交通のこれから視点と生活支援の交通手段づくり」と題した基調講演を中心に、福岡県筑後市のしもつま福祉バス運営協議会からの事例紹介、そしてテーマ別のワークショップによるグループ討議として企画されたものです。
 生活支援交通づくりによる地域福祉交通の推進に向けて開催される「ワークショップin大阪」は、参加された皆様方の積極的な提案を保障すべく企画されています。ご多忙のおりとは存じますが、ぜひともご出席され参加者よりの積極提案をいただきますようお願い申し上げます。

■名 称:「生活支援交通づくりのワークショップin大阪」
■と き:平成23年2月22日(火)13:30~17:00(受付13:00~)
■ところ:大阪市総合生涯学習センター第2研修室
■プログラム:
㈰基調講演「地域福祉交通のこれからの視点と生活支援の交通手段づくり」
  講師:北川博巳氏(兵庫県立福祉のまちづくり研究所研究第一グループ主任研究員兼グループ長)
㈪事例紹介「住民組織による登録不要のバス運行と自治体支援」
  講師:松竹卓生氏(しもつま福祉バス運営協議会事務局長)
㈫フィールドワーク報告「九州の取り組み5事例」(事務局)
㈬ワークショップ「わがまちにくらしの足を支える移動サービスを創るには」
  テーマ別グループ討議(地元の生活交通や福祉交通の見直しと課題検討)
  テーマ(予定)A:住民視点のコミュニティバスづくり B:福祉有償運送の運営協議会運営
  C:過疎地有償運送立上げの考え方 D:都市周辺の交通空白地対策の手法 E:調整中
■参加費:500円(資料代として・当日精算)
■対象者:自治体職員、住民組織、市町村社協、NPO関係者ほか関心のある方 40名
■主 催:NPO法人 全国移動サービスネットワーク
■ お問合せ:関西STS連絡会 TEL/FAX 06-4396-9189(かきくぼ)
※参加「申込用紙」、会場地図はココから
http://www.e-sora.net/k-sts/11.2.22osakaworkshopura.pdf


STS Osaka Action
関西STS連絡会から

2009年4月30日

貴・大阪市福祉有償運送運営協議会に

移動制約者及び移動送迎支援活動の切実な声と現状を訴えます(声明)

関西STS連絡会/NPO法人 日常生活支援ネットワーク
事務局 柿久保 浩次
大阪市浪速区敷津東3-6-10
TEL・FAX:06-4396-9189



 1990年代に全国各地で、公共交通機関から移動を制約されている人たちに対する移動送迎支援活動が始められていきます(約3,000団体)。関西地域でも1998年から勉強会、交流会などが持たれ、2001年に関西STS連絡会が正式に発足されました(現在220団体が参加。大阪府下は90団体)。1998年NPO法、2000年交通バリアフリー法。同年介護保険スタートと続きます。福祉有償運送分野では、厚生労働省、国土交通省が「中間整理(2004年)」「80条ガイドライン通達(2004年)」。そして「NPO等によるボランティア福祉有償検討小委員会(2006年)」において、NPO等非営利による移動送迎支援活動が法的に位置づけられました。一方、自ら特区申請(2003年)を出して福祉有償運送に挑む枚方市や市民団体、そして移動送迎支援活動をテーマに研究と提言を重ねてこられた三星昭宏・近畿大学教授などの草の根の尽力が実を付けつつあります。
 今まさに「ユニバーサルデザイン政策大綱(国道交通省2005年)」の「
障害の有無、年齢、性別、人種等にかかわらず多様な人々が利用しやすいよう、高齢者・障害者等が社会生活をしていく上で障壁(バリア)となるものを除去(フリー)する」社会、とりわけ「改正道路交通法」での福祉有償運送における運営協議会、地域公共交通会議の進捗状況が、多くの移動制約者、そして移動送迎支援活動実施団体より熱い視線を浴びているのです。

 大阪府・大阪運輸支局の統計(2006年3月末)によると、大阪府内の移動制約者総数773,019人(要支援・要介護者数:315,619人、移動制約者:331,438人、療育手帳所持者数:48,212人、精神障害者保健福祉手帳所持者数:33,280人、特定疾患医療受給者証交付数:44,470人)に対する、タクシー車両(身体障害:754台、寝台:34台)という現状や、大阪府内「運営協議会」への申請(2006年9月統計)の申請件数:158件(車両数:427台)という数字は、移動制約者への移動手段が圧倒的に不足しており、福祉交通施策が追いついていない現状を如実に示しています。
 私たちは移動送迎支援活動のすそ野を広げるために、関西STS連絡会としての窓口相談活動をはじめ、運転協力者の育成(国土交通省認定の運転研修:本年で修了者が1,000名を突破)や、毎年「移動送迎支援活動セミナー」を国土交通省(07年:藤田耕三・自動車交通局旅客課長、08年:奥田哲也・自動車交通局旅客課長)や、三星昭宏・近畿大学教授や猪井博登・大阪大学大学院助教などの研究者をお招きして開催してきました。こうして国土交通省、厚生労働省、自治体、タクシー事業者、NPO団体等で行われている「福祉有償運送フォローアップ検討会」での論議と地域現場での課題との突き合わせや、福祉有償運送やサービス利用者の実態調査などを行ってきました。

 そして昨年(2008年)の大阪府6ブロック運営協議会への関西STS連絡会「要望書」(85団体連名)を2月6日と7月10日に提出し、返送いただいた「回答書」をもとに3月26日には初めての「大阪府福祉有償運送・運営協議会連絡会」との意見交換の場を設定していただいたところです。残念なことに意見交換の場での、大阪市運営協議会としてのご意見はいただけませんでしたが、私たちはねばり強く対話と意見交換を求めて行かなければと考えているところです。
 私たちは当然、運営協議会だけの課題であるとは考えてはおりませんし、国土交通省や厚生労働省、各行政での福祉施策、そして自らの地域での諸機関への提案やワークショップを大切にしていきたいとも考えているところですが、やはり3月26日の意見交換の場での「福祉有償運送の現場の悩みを初めて聞いた」や、「大阪では中央が言う通りにやらなくてもいい」などの発言は、やはり福祉有償運送を巡る取り組みや、現場の実態と隔離した運営協議会の存在を示したものであり、ますます意見交換や、相互交流の必要性を痛感するものとなりました。

私たち関西STS連絡会は、事務局団体であるところのNPO法人 日常生活支援ネットワークの登録更新手続きにあたり、
・運営協議会では道路運送法施行規則第51条の8に掲げる、「住民又は旅客(移動制約者)」「福祉有償運送を行っている特定非営利活動法人等」を構成員として配置しているか。
・80条「許可制」から79条「登録制」への道路交通法改正の趣旨の確認や、運営協議会の公開、もしくは議事録の開示がなされているか。
・運営協議会で、福祉有償運送の現場や、障害者のケア、認知症の方への配慮などの研修、勉強会などの実績があるか。
・複数車が流しで運行しておられるタクシー事業者の皆さんと、利用者1名に車両1台をほぼ占有している福祉有償運送の現場に配慮した協議が行われているか。
・運営協議会において生じた問題点や疑問点を相談する相談窓口の明確化ができているか。
などの真摯なチェックをお願いします。
 そして、そうした問題提起を行いたいが故に「更新手続き」の書類不備という行動を選択するにいたりました。
①「適性検査票」、②「運転記録証明書または無事故・無違反証明書(写し)」、③「車両写真」の不提出、④運送の対価以外の対価「迎車回送料金」を設定した書類の提出。以上です。

大阪府の「福祉有償運送登録状況」によると、利用者数は増えているにもかかわらず、登録団体が「176(2007年4月)」から「165(2008年4月)」に減少、運転者も「1,197(2007年4月)」から「1,063(2008年4月)」に減少しており、移動送迎支援活動を実施している各団体、そしてサービス利用者(移動制約者)さんの悲鳴が聞こえてきております。
貴運営協議会が、移動制約者の生活、移動に対するニーズ等を踏まえて、移動制約者の移動を支援することについて検討する場であることを念頭に置き、運営協議会の真摯な点検を行われんことを訴えるために、敢えて失礼な行動に訴えさせていただきました。よろしくご審議をお願いする次第です。


上記「声明文(2009.4.30)」:
http://www.e-sora.net/k-sts/k-sts09.4.30seimei.pdf
資料「大阪府6ブロックからの回答書一覧(2008.3)」:
http://www.e-sora.net/k-sts/k-sts08.3kaitouitiran.pdf
資料「大阪府福祉有償運送「認定基準」」:
http://www.e-sora.net/k-sts/k-sts08osakanintekizyun.pdf

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