Mobility & Ecology
モビリティ&エコロジー

しまなみへ自転車ごと電車でGO サイクルトレイン開始
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自転車を乗せて尾道を目指すサイクルトレイン=18日午前、JR山陽線広島―尾道駅間、高橋正徳撮影
 自転車をそのまま列車に乗せ、「しまなみ海道」(広島県尾道市―愛媛県今治市)でのサイクリングを楽しむ「サイクルトレイン」のノンストップ運行が18日、JR山陽線の広島―尾道駅間で始まった。この日は58人がスポーツ用や電動式など様々な自転車を持ち込み、尾道へ向かった。隣の鞆(とも)の浦(福山市)を目指し、職場の仲間7人と乗り込んだ宮口菜穂さんは「自転車を解体する必要がなく、楽でいいですね」と話していた。
 サイクルトレインは今後、10月17日までの間に計6回運行される。事前予約が必要。問い合わせは尾道観光協会(0848・37・9736)。


09年新車販売:プリウス年間首位エコカー覇権争い激化

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 8日発表された09年の車名別新車販売ランキング(軽自動車を含む)は、20万8876台(前年比約2.9倍)を売ったトヨタ自動車の「プリウス」がハイブリッド車(HV)として初の首位を獲得し、HVが本格普及期に入ったことを示した。今年はホンダが新型HVでプリウスを追うほか、日産自動車が秋に電気自動車(EV)「リーフ」を発売。軽自動車メーカーも燃費向上や低価格路線で巻き返しを目指し、エコカー市場の覇権争いは一段と激化しそうだ。【大久保渉、宮崎泰宏】

 ◇日産、ホンダ
本命車種で対抗

 トヨタは「2010年代のできるだけ早期にHV年間販売100万台を達成し、20年代には全車種にHVモデルをそろえたい」(豊田章男社長)と、昨年5月に発売した新型プリウスをけん引役に、HV普及を加速させることを目標に掲げてきた。

 ガソリン1リットル当たり38キロ走行できる燃費性能を持ちながら、最廉価モデルを旧型車より約30万円安い205万円としたのも「スタートダッシュが重要と考えたから」(幹部)。エコカー減税の追い風も受けて、プリウスは受注に生産が追いつかない超ヒット車となった。

 トヨタは昨年、高級車ブランド「レクサス」や高級セダンにもHV専用車を拡大。10年末には、家庭用電源で充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)の量販を始めるほか、10年代前半までにミニバンや小型車など8車種の新型HVを投入する考え。

 HVの販売台数が09年の国内新車販売(軽自動車を除く)の11.9%を占めるまでに急成長する中、ホンダや日産は「トヨタの独り勝ちは許さない」と今年は対抗策を打ち出す。

 ホンダは2月にスポーツタイプのHV「CR-Z」を発売するほか、秋には主力の5人乗り小型車「フィット」のHVモデルを投入する計画。特にフィットHVは「看板車種での初のHVモデルで、市場を席巻する可能性がある」(業界関係者)と注目を集める。

 日産はカルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)が「エコカーの本命」と期待をかける5人乗りEV「リーフ」を秋にも発売。「ガソリン車にできるだけ近づける」(ゴーン氏)意欲的な価格設定にする予定。さらに、秋に高級車「フーガ」のHVモデルも発売し、11年以降は小型車にも車種を広げる考えだ。

 ◇軽自動車は燃費、価格重視に回帰


 04年から08年まで、軽自動車が年間販売台数首位だったが、09年はプリウスに首位を明け渡し、スズキのワゴンRが前年比1.9%減、ダイハツ工業のムーヴも同4.2%減と軽2強の主力車種は前年実績割れとなった。

 排気量660CC超の登録車の方がエコカー減税や新車買い替え補助のメリットが相対的に大きいことも影響し、軽自動車は低燃費の小型車にも市場を食われた。ホンダが今秋発売する「フィット」HVモデルは軽自動車と競合することもあり、業界は「軽の低燃費・低価格の魅力が失われつつある」(ダイハツの箕浦輝幸社長)と危機感を強めている。

 スズキは「機能をシンプルにして価格を抑える」と原点回帰路線を強調。昨年12月に発売した「アルト」の新型車では、燃費性能を17%向上させつつ、価格は従来並みに据え置いた。ダイハツもガソリン1リットル当たりの走行距離が30キロとHV並みに燃費性能が高い新型軽自動車の開発を急ぐ。

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ホンダ:フィットHV、いくらで売れば来年発売

20091219 190分 更新:1219 2043

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ホンダフィット1.3G=ホンダ提供

 ホンダが、来年発売する主力小型車「フィット」のハイブリッド車(HV)の価格設定に苦慮している。低価格HVとして顧客を取り込みたいものの、「値ごろ感」を前面に出しすぎれば、併売を予定する現行フィットや自社の軽自動車との間で「食い合い」が起きる可能性もある。デフレによる値下げ圧力もあり、価格を決め切れずにいる。【大久保渉】

 フィットは09年度上半期の国内新車販売(軽自動車除く)ランキングで2位の7万6489台を売り上げた人気車種だ。売れ筋のGグレードの燃費はガソリン1リットル当たり24.0キロで価格は約120万円。HV型は2月発売の「インサイト」(同30キロ)以上に燃費が良くなるとみられ、価格が注目されている。ホンダは、最廉価モデルで189万円と200万円を切る初の普及型HVとして人気を集めたインサイト同様、低価格戦略で他メーカーからの乗り換えにつなげたい考えだ。

 しかし、HVを巡っては、トヨタ自動車が5月に「プリウス」の最廉価モデルを205万円で発売し爆発的なヒットとなった一方で、カローラなどの販売減をもたらした。ホンダの場合、現行フィットと軽自動車を合わせた新車販売台数(09年度上半期)は全体の半分を占め、プリウスと同じ問題が起きる可能性がある。

 現行フィットは11月に一部改良モデルを発売したばかり。ホンダ幹部は「HVの価値に見合った価格設定で、ガソリン車とのすみ分けを図りたい」としている。

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東京モーターショー:開幕 次世代エコカー競って出展

20091021 113分 更新:1021 1625

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報道公開が始まった第41回東京モーターショー=千葉市の幕張メッセで2009年10月21日、須賀川理撮影

 「楽しさと環境の両立」をテーマに最新のエコカーなどを展示する第41回東京モーターショー(日本自動車工業会主催)が21日午前、千葉市の幕張メッセで開幕した。

 世界的な不況で、常連だった米ゼネラル・モーターズ(GM)や独ダイムラーなど大手海外メーカーが参加を見送り。出展企業数113社、出展車両数261台と、いずれも前回から半減した。

 その中で、トヨタ自動車とホンダが実用化を意識した電気自動車(EV)のコンセプトカーをそれぞれ世界初公開。日産自動車はグライダーをイメージし、カーブの際に左右に傾く2人乗りEVで未来のクルマ社会のイメージを打ち出すなど、国内各社は次世代エコカーを競って出展し、最先端の環境技術をアピールしている。一般公開は24日から11月4日まで。100万人の入場を目指す。

 一般公開は平日は午前10時~午後6時、土日・祝日は午前9時半~午後7時。入場料(当日)は一般1300円、高校生600円。中学生以下は無料。【坂井隆之】


特許侵害:ITCがハイブリッド車めぐりトヨタの調査開始

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 【ワシントン斉藤信宏】米国際貿易委員会(ITC)は6日、「トヨタのハイブリッド車が特許を侵害している」との米国企業からの訴えを受けて、トヨタ自動車、北米トヨタ、米国トヨタ販売の3社を対象に特許侵害の有無についての調査を開始する、と発表した。米国企業側はハイブリッド車の輸入、販売の差し止めを求めており、ITCの調査結果次第では、米国市場でのトヨタ車の販売に大きな影響が及ぶ恐れもある。

 訴えているのはハイブリッド技術を扱うペイス社(フロリダ州)。トヨタが同社の特許を侵害しており「関税法違反にあたる」と主張している。ITCは聞き取り調査などを実施し、違反に当たるかどうかを判定する。

 トヨタは「ハイブリッド技術に関しては多数の特許を持っており、どのような訴えでも対抗できると確信している」との声明を発表した。トヨタは06年にもハイブリッド車の駆動技術をめぐり「特許侵害にあたる」として訴えられたが、ITCは「侵害にあたらない」と判定した。


蓄電池駆動電車:JR東が走行試験を開始

2009106 1924分 更新:106 2045

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6日に埼玉県の大宮総合車両センター構内で走行試験を開始した「蓄電池駆動電車」(JR東日本提供)

 JR東日本は6日、大容量のリチウムイオン電池を搭載した「蓄電池駆動電車」を開発し、埼玉県の大宮総合車両センター構内で走行試験を開始したと発表した。来年1月から宇都宮線で本線走行を行い、3年以内に世界初の実用化を目指す。

 電化区間は通常の電車として走行し、非電化区間は蓄電池が作動してモーターを駆動させる仕組み。最高速度は時速100キロ、1回の充電で約50キロ走れる。エンジンからの排ガスはゼロで、CO2(二酸化炭素)排出量は従来のディーゼル車両の1キロ走行当たり1750グラムに対し半分以下の715グラム。エネルギー効率も通常の駆動車と比べ1.5倍の能力を持っている。

 一般配電設備から受電し、10分程度の充電で20キロ走行できる。車両開発費は5億円、充電設備が2億円。

 JR東日本は「電池の小型化と能力向上が進めば実用化も早まる」と説明している。【斎藤正利】


エコカー:レンタカーでも人気 乗り心地試したいから?

2009106 128分 更新:106 1224

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東京・豊洲のニッポンレンタカー営業所に並ぶエコカー=東京都江東区で2009年9月、田村彰子撮影

 「エコカー減税」導入で売れ行きが好調なハイブリッド車などのエコカーが、レンタカーでも人気を集めている。購入しようとしても半年待ちにもなる人気に目を付け、レンタカー業界各社は保有台数増加に躍起。エコカーから予約が埋まるといい、各社は「乗り心地を試してみたいという心理があるのでは」などと分析している。

 政府は4月、エコカーに関する減税や補助金制度を導入。メーカーも値下げなどで販路拡大を目指し、人気車種は品薄状態が続いている。トヨタは7月、新型プリウスについて注文を受けても納車は10年4月以降になると発表したほどだ。

 レンタカー各社のエコカー増車は、08年のガソリン高が契機となった。全国で約900店舗を展開する業界大手のニッポンレンタカーは昨夏、エコカーの保有台数をそれまでの5倍以上の約800台に拡大。さらに09年9月の大型連休までに約1500台にした。

 トヨタレンタカーは昨夏に従来の倍の4000台を配備、その後も人気のプリウスなど約1500台を配備した。オリックス自動車も今夏までに、ホンダのインサイトを400台購入し、800台のエコカーをそろえた。

 各社によると、エコカーはレンタル料が他車種と同程度なのに稼働率は高く、9月の大型連休でも予約が殺到した。ニッポンレンタカーによると、稼働率は毎月70%以上で7~8月のレジャーシーズンは80%を超えた。同社広報は「新車の納車が間に合わない中で飢餓感が充満し、試乗代わりにレンタカーを借りるという傾向がある」と語る。

 9月の大型連休にエコカーを借りてレジャーに行った東京都内の会社員の男性(53)は「話題性がある車で関心がある。ただ、買うのはどうかと思い、借りている」と話す。

 レンタカー業界といっても、購入は一般ユーザーと同じく順番待ちだ。「急に増やそうと思っても割り当てはこない」とニッポンレンタカー広報。今後の主力商品と狙いを定め、当面は全台数の10%となる3000台を目標に増車を図る方針という。オリックス自動車も「コンパクトカーのエコカーを中心として、増車を検討していきたい」としている。【田村彰子】


Mazda unveils lightweight gasoline rival to hybrid cars

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The Mazda Kiyora, a compact gasoline car with outstanding fuel efficiency equivalent to that of hybrid vehicles.

Mazda Motor Corp. unveiled its new lightweight "Mazda Kiyora" car on Tuesday ahead of its planned debut at the Tokyo Motor Show next month.

Powered by a 1.3-liter gasoline engine, Mazda's new vehicle has an outstanding fuel economy of around 32 kilometers to the liter, equivalent to that of hybrid vehicles.

The Kiyora features the new Mazda SKY-G, an energy-efficient gasoline engine with significantly enhanced combustion efficiency. It is also equipped with an automatic idling stop system, which turns off the engine when the car stops at traffic lights and restarts it when the driver hits the accelerator again.

The body weight of the Kiyora is about 100 kilograms lighter than that of the Mazda Demio, a compact car of the same size, making it possible to achieve excellent fuel efficiency like a hybrid car.

Currently, the global eco car market is dominated by hybrid vehicles powered by both a gasoline engine and an electric motor, such as the Toyota Prius and Honda Insight, which travel 38 kilometers and 30 kilometers per liter, respectively. While hybrid vehicles enjoy great popularity, Mazda, which does not have a hybrid car line, has devoted itself to the development of better gasoline engines.

Mazda plans to start sales of lightweight vehicles based on the Kiyora in the first half of 2010.

(Mainichi Japan) September 30, 2009


マツダ:小型コンセプトカー「清」 HV並みの低燃費

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ハイブリッド車並みの燃費性能を実現した小型コンセプトカー「マツダ 清」

 マツダは29日、東京モーターショーに出展する小型コンセプトカー「マツダ 清(きよら)」(排気量1.3リットル)を発表した。ガソリンエンジンを搭載しながら、ガソリン1リットル当たりの走行距離が32キロとハイブリッド車(HV)並みの低燃費を実現したのが特徴。

 「清」は駆動時のガソリンの燃焼効率を大幅に高めることで燃費性能を向上させた新開発エンジン「マツダSKY-G」や、信号待ちなど停車時に自動的にエンジンを休止し、発進時に再始動するアイドリングストップ機能を搭載。さらに、同サイズの小型車「デミオ」より重量を約100キロ軽くすることで、ガソリンエンジン車ながらHV並みの低燃費を実現した。

 エコカー市場は現在、エンジンと電動モーターを併用したHVが席巻。ガソリン1リットル当たり38キロ走るトヨタ自動車の「プリウス」や、同30キロ走行するホンダの「インサイト」が人気を呼んでいるが、HVを持たないマツダはガソリンエンジンの燃費性能を追求。「清」をベースにした小型車を10年代前半までに発売する方針だ。【大久保渉】

毎日新聞 2009929日 1850分(最終更新 929日 2015分)


Sharp to enter major solar car race using 'space' cells

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Tokai University students and Sharp Vice President Toshishige Hamano, back row, third from left, are pictured together with the solar car equipped with Sharp photovoltaic cells at Tokai University's Shonan campus in Hiratsuka, Kanagawa Prefecture. (Mainichi)

Sharp Corp. has announced that it will take part in the Global Green Challenge, one of the world's biggest solar car races to be held in Australia next month, with its new solar car jointly developed with Tokai University.

The vehicle constructed by Tokai University students is equipped with Sharp's high-performance compound solar cells, which have been developed for special purposes including use in satellites. The compound solar cell boasts a global-leading sunlight energy conversion efficiency rate of around 30 percent per module, greatly exceeding the 10 percent rate of silicon solar cells used for residential purposes.

The solar car is about five meters long and 1.64 meters wide. The development team installed a six-square-meter panel covered with the compound solar cells on the top of the vehicle.

A total of 30 teams from around the world will participate in the race that starts on Oct. 24. Vehicles powered only by solar energy will cross the Australian continent from its northernmost city of Darwin down to Adelaide over a week and compete on time.

Sharp's solar cells, which are resistant to temperature variations from minus 100 degrees to plus 80 degrees Celsius, can be used in outer space. Through participation in the event, the company hopes to expand application of its next-generation solar cells.

"We would like to test the performance and quality of our solar cells when they are used on earth," said Sharp Vice President Toshishige Hamano.

(Mainichi Japan) September 27, 2009


ソーラーカー:シャープが東海大と開発豪のレース参戦へ

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シャープ製の太陽電池を搭載した東海大のソーラーカーと、開発した学生ら。後列左から3人目はシャープの濱野稔重副社長=神奈川県平塚市北金目の東海大湘南キャンパスで、和田憲二撮影

 シャープは同社製の高性能太陽電池を使ったソーラーカーを東海大学と共同開発し、10月24日からオーストラリアで開かれる世界最大級のソーラーカーレース「グローバル・グリーン・チャレンジ」に参戦する。

 東海大のソーラーカーに搭載される太陽電池はシリコンを用いた住宅向けの太陽電池ではなく、人工衛星など特殊な用途に使われる高性能の「化合物太陽電池」。太陽光エネルギーを電力に換える変換効率はセル(発電素子)ベースで、シリコン太陽電池の10%を大きく上回る30%と世界最高レベルという。全長約5メートル、幅約1.64メートルのソーラーカーの車体上部に、この化合物太陽電池を計6平方メートルにわたって張り詰めた。

 レースには世界の30チームが参加。太陽光のみを動力源とするソーラーカーでオーストラリア大陸北端のダーウィンから南端のアデレードまで約3000キロを約1週間かけて縦断、タイムを競う。シャープ製の化合物太陽電池は、80度からマイナス100度まで変化する宇宙空間で使用できる耐久性を持つが、シャープは「レースを通じて、地上で使用した場合の性能と品質を確かめたい」(浜野稔重副社長)と、次世代太陽電池の用途拡大を探る考えだ。【和田憲二】

毎日新聞 2009921日 1903分(最終更新 921日 1918分)


トヨタ:期間従業員を1年4カ月ぶりに採用 HV増産で

 トヨタ自動車は8日、10月に期間従業員を1年4カ月ぶりに採用すると発表した。エコカー減税などの導入で好調なハイブリッド車(HV)などの増産に対応するためで、約800人を雇用する。自動車メーカーの期間従業員の採用再開は、三菱自動車工業と日野自動車に次いで3社目となる。

 トヨタで期間従業員として働いた経験のある熟練者を中心に採用し、エコカー減税や買い替え補助金制度の効果で爆発的な売れ行きとなったプリウスを生産する堤工場(愛知県豊田市)などに配置する。契約期間は来年1~3月までの4~6カ月間で、その後は生産動向を見ながら対応する。

 トヨタは世界的な自動車販売の低迷による減産に伴い、昨年6月末から期間従業員の新規採用を中止し、昨年3月末時点で約8800人いた期間従業員を、約1300人まで減らした(一部は社員登用)。しかし今春以降、各国の景気対策の効果でHVや低燃費車を中心に販売が徐々に持ち直し、残業や休日出勤の再開、グループ会社などからの応援で増産に対応していた。【米川直己】

毎日新聞 200998日 1108


ソーラーカー:
時速100キロ世界に挑む 東海大とシャープの共同開発 /神奈川
 ◇車両を公開

 東海大学は7日、湘南キャンパス(平塚市北金目)で、オーストラリアで10月に開かれるソーラーカーレースに参加する車両を公開した。開発には学生も加わり、チーム代表の工学部3年、竹内豪(つよし)さん(20)は「すばらしい(太陽電池)パネルを提供してもらった。ぜひ表彰台に上りたい」と意気込みを語った。

 車両は全長約5メートル、幅約1・64メートルで重量は150キロ以下。大手電機メーカーのシャープが太陽電池パネルを提供し、時速100キロを目指す。開発にかかわったのは、同大の環境問題などに取り組む「ライトパワープロジェクト」のメンバーで、竹内さんは「昨年12月から構想を始めた。太陽電池の性能やボディーの形状などがポイント」などと話した。

 レースは「グローバル・グリーン・チャレンジ」のソーラーカー部門で、オーストラリアの約3000キロを縦断するもの。10月24~31日に開かれ、同部門には世界の約30チームがエントリーしている。ドライバーは同大OBでパリ・ダカール・ラリーで総合優勝の経験を持つ篠塚建次郎さん。学生約20人もサポーターなどとしてレースに臨む。【渡辺明博】

毎日新聞 200998日 地方版


ベンツ:最上級セダンのハイブリッド車発売 輸入車で初

200993 1938分 更新:93 206

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メルセデス・ベンツが発売した「HYBRIDロング」=東京都港区で2009年9月3日、大久保渉撮影

 メルセデス・ベンツ日本は3日、ベンツの最上級セダン「Sクラス」のハイブリッド車(HV)「HYBRIDロング」(排気量3.5リットル)を発売した。輸入車では初のHVで、税込み価格は1405万円。トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」の最上級HV「LS600hL」(同5.0リットル、1510万円)などに対抗する。

 海外勢では、独BMWも10年夏をめどに最高級セダン「7シリーズ」のHVを発売する。国内新車市場はトヨタのプリウスとホンダのインサイトがHVブームを巻き起こしているが、今後は、富裕層がターゲットの高級車市場でもHV販売競争が過熱しそうだ。

 Sクラスはベンツのフラッグシップ(旗艦)モデル。HYBRIDロングは電気モーターと小型リチウムイオン電池を搭載。ガソリンエンジンと併用して走行することで、燃費をガソリン1リットル当たり11.2キロと従来車に比べ約3割向上させ、量販型の輸入車で初めて政府のエコカー減税対象車となった。

 小型でも容量の大きいリチウムイオン電池を採用して、HVシステムをコンパクトに設計したことで、HVでありながら室内やトランクで従来型と同じ広さを確保した。メルセデス・ベンツ日本のハンス・テンペル社長は「Sクラスの高級感をすべての面で保ちつつ、環境性能に優れたHVを実現した」と強調。ベンツの他のクラスにもHV車種を増やす考えを示した。【大久保渉】


新車販売:効果くっきり エコカー減税 8月前年比プラス

200991 2325分 更新:92 049

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新車買い替え補助やエコカー減税をPRする販売店=東京都杉並区の東京日産自動車販売杉並店で、大久保渉撮影

 日本自動車販売協会連合会が1日発表した8月の新車販売台数(軽自動車を除く)は、国の販売奨励策の浸透を追い風に前年同月比2.3%増の19万8265台と、昨年7月以来、13カ月ぶりに前年比プラスとなった。軽自動車を含む新車の総販売台数は同0.5%減と14カ月連続で前年実績を割り込んだが、減少幅は7月(5.2%減)から大きく改善した。

 4月に始まった環境対応車(エコカー)向けの減税や、新車買い替え補助など国の支援を背景に、新車販売は昨秋のリーマン・ショックをきっかけとした低迷からようやく抜け出した形。ただ、国頼みの需要回復だけに持続力には不安を抱えている。

 8月は支援が手厚い乗用車(商用車や軽を除く)が前年同月比8.2%増の17万9766台と大きく伸びた。トヨタ自動車の低価格戦略も重なり、爆発的ヒットとなったハイブリッド車(HV)「プリウス」を含む3ナンバーの普通乗用車は同16.9%増と2ケタ増となった。

 メーカー別では、軽自動車を除いた販売でトヨタが同9%増の9万802台と13カ月ぶりにプラスに回復。HV「インサイト」が好調なホンダも同13.4%増と5カ月連続のプラスとなり、HVを武器に両社は市場のけん引役となった。HVを持たない他社では、三菱自動車が小型車「コルト」の値下げ効果で19カ月プラスに転じたが、日産自動車、マツダ、富士重工業、スズキの4社はマイナスと明暗が分かれた。

 国内新車販売は、昨秋のリーマン・ショックを境に急激に落ち込み、今年2月には前年同月比32%減を記録。その後も今年6月までは9カ月連続で2ケタ減が続いた。

 政府は景気てこ入れのため、4月から自動車取得税・重量税を減免するエコカー減税に加え、6月には買い替え補助を導入(対象は4月10日以降登録分)。新車購入者に対して、減税で最大40万円強、補助金で最大25万円の負担を軽減する大盤振る舞いとなり、7月には前年同月比4.2%減(軽を除く)まで回復していた。

 ただ、販売現場では活況の裏で、政府支援が終了した後の反動減への不安感も広がる。プリウスは想定を上回る受注に生産が追いつかず、7月23日以降注文分は、補助金支給の条件である3月末までの納車が間に合わない。東京都内の販売店は「8月以降、プリウスの受注が2~3割減った。他のエコカーを勧めているが、穴埋めは難しい」と話す。日産の販売会社も、「減税と補助金の対象車以外の車は全然売れない」と、支援頼みの危うさを認めており、新車販売回復も素直には喜べないのが実情だ。【坂井隆之、大久保渉】 


エコカー:輸入車も続々 助成制度対象車、VW・アウディ・ベンツ投入

 ハイブリッド車(HV)など環境対応車(エコカー)の販売が急増していることを受け、輸入車でも、政府のエコカー買い替え補助制度に適合した車種の投入が相次いでいる。独フォルクス・ワーゲン(VW)は25日、主力乗用車の「ゴルフGTI」(排気量2リットル)の燃費を改善させ、補助対象車としたモデルを発表。独ダイムラーは、9月3日にベンツ初となるHVを日本に投入する。

 新車買い替え補助制度は、国の燃費基準をクリアした新車を購入した場合に、最大25万円の補助を受けられる。欧米と日本では燃費の測定方法や基準が異なるため、制度開始当初は輸入車の対象車がほとんど無かった。このため各海外メーカーの国内ディーラーは独自に助成金相当額を値引きするキャンペーンを展開。一方、ドイツメーカーを中心に、日本の燃費規制にかなった車種の投入を順次、進めてきた。

 これまでにVWが11車種を投入したほか、アウディが22車種、BMW(MINI含む)が15車種、メルセデス・ベンツも17車種まで拡充している。

 輸入車の月間販売は昨年5月以降、15カ月連続で前年同月を割り込むなど低迷していたが、助成制度対象車の増加や、独自の値引き制度などにより、8月は24日現在、ほぼ前年並みで推移。VWグループジャパンのジェリー・ドリザス社長は「新車販売は底打ちした」との認識を示した。

 ただ、米ビッグスリー(自動車大手3社)や日本での販売台数が少ないメーカーは、「コスト高になる」として対象車の投入を見送っている。【大久保渉】

毎日新聞 2009826日 東京朝刊


エコカー:輸入車も環境対応に ベンツもHVを投入へ

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フォルクスワーゲングループジャパンが発売する新型ゴルフGTI

 ハイブリッド車(HV)など環境対応車(エコカー)の販売が急増していることを受け、輸入車でも、政府のエコカー買い替え補助制度に適合した車種の投入が相次いでいる。独フォルクス・ワーゲン(VW)は25日、主力乗用車の「ゴルフGTI」(排気量2リットル)の燃費を改善させ、補助対象車としたモデルを発表。独ダイムラーは、9月3日にベンツ初となるHVを日本に投入する。

 新車買い替え補助制度は、国の燃費基準をクリアした新車を購入した場合に、最大25万円の補助を受けられる。欧米と日本では燃費の測定方法や基準が異なるため、制度開始当初は輸入車の対象車がほとんど無かった。

 このため各海外メーカーの国内ディーラーは独自に助成金相当額を値引きするキャンペーンを展開。一方、ドイツメーカーを中心に、日本の燃費規制にかなった車種の投入を順次、進めてきた。

 これまでにVWが11車種を投入したほか、アウディが22車種、BMW(MINI含む)が15車種、メルセデス・ベンツも17車種まで拡充している。

 輸入車の月間販売は昨年5月以降、15カ月連続で前年同月を割り込むなど低迷していたが、助成制度対象車の増加や、独自の値引き制度などにより、8月は24日現在、ほぼ前年並みで推移。VWグループジャパンのジェリー・ドリザス社長は「新車販売は底打ちした」と最悪期を脱したとの認識を示した。

 ただ、米ビッグスリー(自動車大手3社)や日本での販売台数が少ないメーカーは、「コスト高になる」として助成制度対象車の投入を見送っている。【大久保渉】

毎日新聞 2009825日 2059分(最終更新 825日 2348分)


米運輸省:低燃費車の購入支援打ち切り 予算底をつく

 【ワシントン斉藤信宏】米運輸省は24日夜、低燃費車の購入支援制度に基づく自動車販売を打ち切った。総額30億ドル(約2840億円)の予算が底をついたためだが、同日も自動車販売店から米政府への助成金申請が殺到。政府のコンピューターシステムに障害が発生し、販売店からの申請期限を25日正午まで延長するなど、最後まで予想を超えた応募への対応に追われた。

 支援制度は、燃費の悪い旧型の乗用車や小型トラックを売却する代わりに、低燃費車の購入代金への補助を受けられるというもので、支援額は1人あたり最大4500ドル(約43万円)。金融危機に伴う自動車ローンの審査厳格化などの影響で、自動車買い替えを手控えていた米消費者の購買意欲を喚起しようとの狙いで導入された。

 米政府は当初、予算10億ドルで募集を始めたが、わずか10日で底をつき、慌てて制度拡充法案を成立させ、期間を延長していた。ところが、増額した20億ドルも3週間足らずで払底し、導入から約1カ月で制度打ち切りとなった。

 米運輸省によると、同制度を利用して販売された自動車は、集計済みのものだけで62万5000台を超えており、最終的には70万~80万台に上る可能性があるという。ラフード米運輸長官は「前例のない大成功だった」と自動車販売回復の起爆剤としての効果を強調。ホワイトハウスは09年7~9月期の米国内総生産(GDP)を0.3~0.4%押し上げる効果があると見込む。

 ただ、制度終了後の新車販売は「需要が落ち込むのは間違いない」(米自動車アナリスト)と見られており、支援制度が米景気に持続的な回復をもたらすかは未知数だ。

毎日新聞 2009825日 1037分(最終更新 825日 1211分)


EV:150万円量産計画 慶大、ベネッセ、ガリバーで

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SIM-Drive設立を発表し、会見する清水浩社長=東京都内のホテルで2009年8月24日、長谷川直亮撮影

 慶応大環境情報学部の清水浩教授と通信教育大手「ベネッセコーポレーション」、中古車事業「ガリバーインターナショナル」は24日、清水教授が開発した電気自動車(EV)製造技術の普及を目指す新会社「SIM-Drive(シムドライブ)」を設立したと発表した。走行中に排ガスを一切出さないEVは次世代エコカーの本命と期待されており、産学連携によるEV市場への新規参入として注目を集めそうだ。

 シムドライブは自動車メーカー、部品メーカーなどにEV製造技術のライセンスを供与。13年をめどに、1回の充電で約300キロ走れる5人乗りEVを車両価格150万円以下(バッテリー除く)で量産・販売することを目指す。価格が高いバッテリーはリース方式とすることで、ユーザーのEV取得時の初期費用は車両価格のみで150万円程度に抑える方針。

 資本金は4400万円で、ベネッセやガリバーのほか、大手商社の丸紅も出資している。社長に就任した清水教授はEVの研究が長く、四つの車輪に電動モーターを直接取り付けて動かす「インホイールモーター」システムを開発。清水教授によると、車体の中央にモーターを1基だけ設置し各車輪に動力を伝える既存のEVシステムに比べ動力のロスが少なく、同じ容量の電池で走行距離を最大2倍に伸ばせるという。

 EVは三菱自動車や富士重工業が7月に発売したが、政府補助を加味しても購入価格は300万円以上、1回の充電で走行できる距離も160キロ以下にとどまる。清水教授は24日の会見で「多くの企業の賛同を得て、従来の2倍の距離を走れる新型EVの早期実用化を目指したい」と語った。【大久保渉】

毎日新聞 2009824日 2122分(最終更新 824日 2339分)


米国:エコカー助成、1カ月で打ち切り

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米新車販売台数と前年同月比の推移

 米政府は20日、7月下旬に導入した低燃費車への買い替えを促す助成金制度を24日に打ち切ると発表した。同制度には、新車約75万台分に相当する総額30億ドル(約2800億円)が用意されていたが、利用者が殺到し、わずか1カ月で予算を使い切る見通しとなったため。米政府は、「自動車業界を救い、経済を活性化させた」(ラフード運輸長官)と強調するが、反動による9月以降の需要急減が確実視され、メーカーからは不安の声も出ている。【坂井隆之】

 助成金制度は、燃費の悪い中古車を下取りに出して低燃費の新車を購入する消費者に対し、政府が最大4500ドルを支給する内容。当初10億ドルの予算で9月末まで実施予定だったが、7月24日の導入からわずか1週間で当初予算を使い切り、20億ドルを追加投入していた。

 政策効果で、米フォードの「フォーカス」や、トヨタ自動車の「カローラ」など中・小型乗用車の販売が急増。米新車販売は7月に7カ月ぶりに年換算で1000万台を回復し、8月は「年換算1600万台まで回復する」(自動車アナリスト)急好転ぶりだった。これを受けて、米フォードは今月13日、7~9月期の生産を小型車中心に当初計画より1万台上積みすると発表。経営再建中の米ゼネラル・モーターズ(GM)も18日、10~12月期の生産計画を当初計画より1割前後積み増し、米国とカナダで一時解雇していた1350人の工場従業員を復職させると発表していた。

 米政府がわずか1カ月で支援を打ち切った背景には、すでにGM支援に5000億ドルの公的資金をつぎ込み、財政上の余裕が無いことに加え、「低燃費の日本メーカーに買い替えが集まり、米メーカーの恩恵が乏しい」との議会内の不満もあった模様だ。打ち切り後の影響について、「金融市場の安定で需要は回復に向かっており、年1000万台ペースは維持できる」(トヨタ自動車幹部)との強気の見方がある一方で、21日の東京株式市場ではトヨタやホンダなど自動車株が急落するなど、政策下支えが外れることによる販売急落懸念も強い。

 第一生命経済研究所の桂畑誠治氏は「制度終了で一時的押し上げ効果が消えるのは間違いなく、回復基調を維持できるかどうかは、米国の雇用や消費が回復するかどうか次第」と指摘している。

毎日新聞 2009821日 2110分(最終更新 822日 021分)


米国:新車購入支援を終了 利用者殺到で予算底をつく恐れ

 【ワシントン共同】米政府は20日、7月下旬に導入した低燃費車の新車購入支援制度を24日で終了すると発表した。9月上旬まで続く予定だったが、制度の利用者が殺到し、議会が承認した30億ドル(約2800億円)の予算が予想より早く底をつく恐れが強まったため。ラフード運輸長官は声明で「この制度は自動車業界を救い、経済を活性化し、雇用を回復させた」と強調。「燃費効率の良い車への買い替えを促すことができた」と環境面での成果も指摘した。

 米運輸省によると、20日までに45万7000件以上、総額19億ドルの支援を実施した。

 この制度は、燃費の悪い中古車を下取りに出して低燃費の新車に買い替えると、最大4500ドルの支援を受けられる仕組み。消費者に好評で、新車販売台数を大きく押し上げた。議会は8月上旬に予算を当初の10億ドルから3倍に拡大した。(共同)

毎日新聞 2009821日 1003


トヨタ:ハイブリッド車電池 調達先に三洋電機も追加へ

 トヨタ自動車が、ハイブリッド車(HV)用の電池の調達先に三洋電機を加える方針であることが19日分かった。トヨタはこれまで、すべてのHV用電池をパナソニックとの共同出資会社、パナソニックEVエナジー(PEVE)から調達してきたが、人気の高いHVの増産に向け、基幹部品の電池を安定的に調達できる体制を整える。

 調達するのは、現行のニッケル水素電池より性能が高いリチウムイオン電池。11年ごろから年1万台分を調達し始め、ミニバンタイプの新型HVに載せる方向で検討している。

 トヨタは世界初の量産HV、プリウス(97年~)の発売に先立つ96年にPEVEを設立し、自ら電池生産に携わってきた。しかし原油価格が高騰した08年以降、HVの需要が急拡大。今年5月に発売した3代目プリウスは電池の増産が間に合わず、納車まで半年以上かかる事態になっている。トヨタは10年代の早い時期にHVの世界販売を08年比2.3倍の年100万台にする計画で、電池の大量調達が課題だった。

 三洋はリチウムイオン電池の開発に定評があり、年内にもパナソニックの子会社になる予定のため調達先に加える。【宮島寛】

毎日新聞 2009819日 1953


電気自動車:日産と昭和シェル 急速充電システムを開発へ

 日産自動車と昭和シェル石油は19日、電気自動車(EV)向けに太陽光発電を利用した急速充電システムを共同開発すると発表した。昭和シェルの次世代太陽電池技術と日産の車載用リチウムイオン電池技術を融合。太陽光を急速充電システムのエネルギー源とすることで、EVの走行時だけでなく、発電時も二酸化炭素(CO2)などを排出しない「ゼロエミッション」を目指す。

 国も「電気自動車普及環境整備実証事業」として、開発費の一部を支援する。新型急速充電システムを開発できれば、昭和シェル系列の全国のガソリンスタンドに配備する予定で、地域で停電が発生した場合は家庭などへ電力を供給する拠点としても活用できるようにする計画だ。

 10年に5人乗りEV「リーフ」を発売する日産は、この太陽光を活用した急速充電システムの早期実用化を図り、「究極エコカー」としてPRしたい考えだ。【坂井隆之】

毎日新聞 2009819日 1839


Sales of first dedicated Lexus hybrid hit 10,000 in first month

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The Lexus HS250h

Orders for Lexus' first dedicated hybrid, the HS250h, reached 10,000 units in its first month, smashing its sales target of 500, parent company Toyota Motor Corp. said.

The waiting list for the HS250h is now six months long. Advance orders stood at 3,000 units.

The hybrid sedan can reach 23 kilometers to the liter, a fuel efficiency on par with that of Toyota's Vitz compact. The basic model has a sticker price of 3.95 million yen.

(Mainichi Japan) August 19, 2009


トヨタ:レクサスのハイブリッド車 受注1カ月で1万台に

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レクサスHS250h

 トヨタ自動車は18日、高級車ブランド「レクサス」初のハイブリッド専用車「HS250h」の受注台数が、7月14日の発売から約1カ月で1万台に達したと発表した。当初の月間販売目標(500台)の20倍で、同社は「現在受注しても、納車が来年2月下旬になる」と説明している。

 HS250hは、ガソリン1リットル当たりの走行距離が23キロで、高級セダンながらコンパクトカー「ヴィッツ」並みの燃費性能を持つ。最廉価モデルが395万円とレクサスでは最安値水準であることも顧客獲得につながっている。発売時点で受注台数が3000台に達していた。【坂井隆之】

毎日新聞 2009818日 1936分(最終更新 818日 2121分)


温室ガス:全車エコカー化などで80%減可能 環境省試案

2009814 2131分 更新:814 2219

 環境省は14日、生活水準を下げずに50年までに温室効果ガス排出量の05年比80%減を可能にする試案を公表した。1人当たりのGDP(国内総生産)成長率が年1~2%でも全乗用車をエコカー化し、太陽光発電容量を05年比で120~140倍にするなど、「脱化石燃料(石油など)」や省エネを徹底することで実現可能としている。

 試案は、7月のラクイラ・サミットで主要8カ国の首脳宣言に「先進国全体で50年までに80%以上削減」することが盛り込まれたのを受けたもの。

 同省はエネルギー使用量を4割削減するほか、再生可能エネルギー(太陽光など自然エネルギー)の大幅導入などで80%減が可能と試算。50年時点の日本の姿として▽経済発展を重視し都心部に人口・資本が集中している社会▽ゆとりある生活を求め人口・資本が地方に分散している社会--の2ケースを想定した。

 「経済重視型」は年2%の成長率が前提。電気などに変換する前のエネルギー全体に占める割合は再生可能エネルギーが28%、原子力を26%にする。太陽光発電設備の能力(発電容量)を05年比120倍に引き上げ、原発発電量を同1.4倍にする。全乗用車の電気自動車化も提案した。

 「ゆとり重視型」は年1%成長で、太陽光やバイオ燃料など地域で生産したエネルギーをその地域で使う社会。再生可能エネルギーは全体の4割を占め、原子力は26%。太陽光発電容量は05年比140倍に増やし、原発発電量は同1.2倍にする。乗用車は電気自動車、ハイブリッド車を5割ずつ。両ケースとも公共交通機関の利用率は「経済重視」「ゆとり」とも50%(00年比10ポイント増)に上げる。

 政策面では、大規模排出事業者に排出上限を設定する制度や、国民に排出量に応じて課税する環境税の導入なども提案した。斉藤鉄夫環境相は「80%減は先進国としての責務。達成する以外に日本が生き残る道はない」と述べた。【大場あい】


米エコカー補助:米上院が拡充法案可決 予算を3倍に増額

 【ワシントン斉藤信宏】米上院が6日、低燃費車の購入支援制度を拡充する法案を可決したことで、補助金は当初予算の3倍にあたる計30億ドル(約2850億円)に増額される見通しとなった。7月下旬から導入された今回の制度では、これまでのところ低燃費の日本車が購入車種の上位をほぼ独占しており、制度拡充は日本メーカーにとっても朗報となりそうだ。

 複数の米メディアによると、6日までに支給された補助金は9億2000万ドル。約22万台の新車が補助金付きで販売された。新制度を利用した新車販売台数は、トヨタ自動車の「カローラ」が首位で、2位は米フォード・モーターの「フォーカス」。3位以下にはホンダの「シビック」、トヨタのハイブリッド車「プリウス」と「カムリ」が続き、上位5車種のうち4車種を日本車が占めた。補助の増額は、燃費の悪い米国産車から日本車への買い替えを一段と加速させる可能性が高い。

 支援制度は、燃費の悪い乗用車や小型トラックを売る代わりに、低燃費車の購入代金への補助を受け取れる。支援額は1人あたり最大4500ドル(約43万円)。オバマ米大統領が「成功はすでに証明済みだ」と述べるなど、米国内では、制度が米自動車市場の回復に向けた起爆剤になるとの見方が強まっている。

 上院での可決を受け、オバマ大統領は「米国の消費者はガソリン代だけで年間700~1000ドルも節約できる。米国経済の持続的な回復にもつながる」と表明。すでに米クライスラーが、10月の月間生産台数を6万台から8万台に増やす方針を決めたほか、フォードも増産の検討に入るなど、米国メーカーも対応を急いでいる。

 米市場では7月の新車販売台数が、支援制度の効果で7カ月ぶりに年換算1000万台の大台を回復。減少幅も前年同月比12・2%減と昨年8月以来、11カ月ぶりに2割未満に縮小している。日本車の在庫も急速に減少しており、市場底入れへの期待は、制度拡充でさらに高まりそうだ。

毎日新聞 200987日 1905


日産:電気自動車「リーフ」公開 初年度生産5万台を計画

200982 1944分 更新:82 2325

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来年発売になる日産の電気自動車「リーフ」の前でフォトセッションに応じるカルロス・ゴーン社長=横浜市の日産自動車新本社で2009年8月2日、三浦博之撮影

 日産自動車は2日、10年度後半に日米欧で発売する電気自動車(EV)「リーフ」を公開した。二酸化炭素(CO2)などの排ガスを走行中に出さないEVの量産車を発表したのは、三菱自動車、富士重工業に次ぐ3社目だが、先行2社が軽自動車サイズなのに対し、日産は一回り大きい小型乗用車サイズ。また日産は初年度生産台数も2社を大幅に上回る5万台を計画。カルロス・ゴーン社長は「日産が(排ガスを一切出さない)ゼロエミッションで世界をリードする」と語った。

 車名は、葉が大気を浄化することから英語で葉を指す「リーフ」と名付けた。5人乗りでリチウムイオン電池とモーターを搭載し、1回の充電で160キロ走行できる。最高時速は140キロ。価格は10年末までに発表する。ゴーン社長は国の補助を前提に「電池を除いた車両価格は既存のガソリン車と同水準。電池と充電代の合計はガソリン代を下回る」との見通しを示した。

 発表会は同日オープンした横浜市の同社新本社ビルで行われ、ゴーン社長がリーフを運転し、助手席に小泉純一郎元首相を乗せて登場。小泉元首相は「スムーズで静か。脱石油社会に向けて間違いなく普及すると思う」と語った。【大久保渉】
 ◇ハイブリッド車で出遅れ、巻き返し狙う

 日産自動車が、電気自動車(EV)「リーフ」を発売1年以上も前に公開したのは、ガソリンエンジンと電動モーターを併用して走るハイブリッド車(HV)が好調なトヨタ自動車、ホンダに比べ、急成長するエコカー市場での目玉商品を持たない日産が、出遅れイメージを消し去り、巻き返しを図りたい狙いがある。

 2日会見したゴーン社長は「2020年には世界の自動車需要の1割がEVになる」との見通しを示し、トヨタのHV「プリウス」のように、リーフをEVの代表ブランドにいち早く育て上げる考えを示した。ただ新型プリウスの大ヒットの主な要因がガソリン車並みの安価さ(最廉価モデルで205万円)だったように、リーフが早期普及を果たせるかどうかは、価格設定が最大の課題になる。

 日産は12年度までに生産台数を20万台に引き上げるなど量産効果も追求し低価格化を図る。しかし、軽がベースの三菱自の「i-MiEV(アイミーブ)」が国の補助を活用しても1台約320万円する中、一回り大きいリーフの低価格化は難題だ。「消費者が求めやすい価格にする」と強調したゴーン社長が、新型プリウスでトヨタがしたような、普及を最優先した大胆な価格を打ち出せるか注目される。【坂井隆之】


日産:
電気自動車「リーフ」公開 手ごろな価格で「ゼロ・エミッション」 来年度発売予定

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量産型電気自動車「リーフ」のセレモニーに出席した、(左から)カルロス・ゴーン社長、松沢成文・神奈川県知事、中田宏・横浜市長、小泉純一郎・元首相

 日産自動車は2日、横浜市西区に完成したグローバル本社ビルの完成に合わせ、来年度後半に日本や北米、欧州で発売する予定の量産型電気自動車(EV)「リーフ」を報道陣に公開した。

 リーフは走行中に二酸化炭素(CO2)などの排出ガスを出さない「ゼロ・エミッション車」。90キロワット超の出力を発生するラミネート型コンパクトリチウムイオンバッテリーと80キロワットの電気モーターを搭載し、ガソリン車同様の高いレスポンスを得ている。またフル充電で160キロ以上の走行が可能。フル充電には200ボルトの普通充電で約8時間かかるが、急速充電器を使えば30分で80%まで充電できる。価格は来年末に発表の予定だが、買いやすい価格を設定するとしている。

 カルロス・ゴーン社長は「日産リーフは、すべての日産の従業員が誇りを感じて良いほど非常に素晴らしい。私たちは、エミッションが少ないのではなく、エミッションがゼロとなる車を公開するこの日を実現するために懸命に取り組んできた。これは世界中の人々が間違いなくエキサイティングに感じる新しい時代に向けた最初の一歩である」と語った。またセレモニーに出席した小泉純一郎・元首相は「脱石油社会の実現に向けて、きっと普及すると思う」と述べた。【米田堅持】

 200982


雑記帳:東京の「打ち水プロジェクト」に電気自動車初参加

200981 220分 更新:81 222

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ドライミスト噴霧器を搭載した三菱自動車の「アイミーブ」=東京都千代田区大手町で2009年7月31日午前10時11分、長谷川直亮撮影

 東京都心の温度を下げ、ヒートアイランド現象の緩和を目指すイベント「打ち水プロジェクト09」に31日、三菱自動車の電気自動車「i-MiEV(アイミーブ)」が初参加した。

 この日の都心は曇りがちで「打ち水日和」ではなかったが、噴霧器を取り付けたアイミーブが車体後部から、排ガスならぬ冷たい水を勢いよく噴き出し、涼しさを演出した。

 浴衣を着た女性たちが、東京・丸の内、大手町のオフィス街で水をまくイベントは今年で5回目。地球温暖化対策の切り札として期待される電気自動車も、浴衣姿に並ぶ夏の風物詩になれるか。【窪田淳】


日産:EV実験車両を公開 電池小型化で広い室内を確保

2009727 194分 更新:727 2328

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2010年に発売する日産自動車のEVの実験車両=神奈川県横須賀市のドライブコース「追浜GRANDRIVE」で2009年7月27日、大久保渉撮影

 日産自動車は27日、10年に発売する電気自動車(EV)の実験車両を公開した。独自開発の高性能モーターと大容量リチウムイオン電池を搭載し、1回の充電で160キロ以上走れるようにした。電池の小型化により、5人乗りコンパクトカー並みの室内空間も確保。販売で先行する軽自動車ベースの三菱自動車製EV「i-MiEV(アイミーブ)」などとの差別化で、早期の普及を図る。

 200ボルトの家庭用電源なら8時間でフル充電、急速充電器なら30分で8割充電できる。最高速度は140キロ以上で、高速道路もスムーズに走行できるという。

 さらに、専用の通信システムを活用し、カーナビゲーションの地図上に、残りの充電量で走行可能なエリアや目的地周辺の充電スタンドの最新情報を表示するようにした。アイミーブなどのEVのほか、車両価格の安さを強みにエコカー市場を席巻するトヨタ自動車の「プリウス」などのハイブリッド車に対抗する。

 販売車両のデザインは8月2日、東京・銀座から横浜市への本社移転式典で発表する。価格は未定。【大久保渉】


エコカー補助:環境相が「延長を」 注文殺到で納車遅れ

 政府が景気対策として今年度限定で実施している環境対応車(エコカー)の購入補助制度や、省エネ家電のエコポイント制度について、24日の閣議後会見で、斉藤鉄夫環境相や佐藤勉総務相から制度延長を求める発言が相次いだ。一方、二階俊博経済産業相は「年度末(の状況)を見極めてから対応したい」と慎重姿勢を示した。制度延長には予算措置が必要なことや、あくまでも一時的な景気浮揚策という点を考慮したとみられる。

 エコカーの一部車種で注文が殺到し、補助金を受け取れる来年3月末までの納車が間に合わないことについて、斉藤環境相は「延長すべきだということで二階経産相と一致した」と発言。エコポイントも「景気回復の起爆剤になっており、延長や対象拡大が必要だ」と強調した。佐藤総務相も地上デジタル放送の普及に関し「エコポイントの継続も考えなければならない」と述べた。

 しかし、二階経産相はエコカー補助について「まずはメーカーに供給を急いでいただく。年度末に解決されない場合は、弾力的な対応を考える必要がある」と述べるにとどめ、「自動車産業が惨たんたる状況になり、救済するために対策をとった。増産で雇用がどうなったのかを確認して判断すべきだ」と安易な延長にクギを刺した。

 民主党は衆院選で政権をとった場合、予算を組み替える方針を掲げている。現在の閣僚がいくら発言しても、制度延長の先行きは不透明で、「そのとき政権を担当する政府が責任ある対応をする」(二階経産相)というのが結論のようだ。【柳原美砂子】

毎日新聞 2009724日 2117


電気自動車:国内初、タクシー営業始まる 新潟・柏崎

2009724 1050分 更新:724 1111

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発車式の後、初めての営業に出発した電気自動車タクシー=新潟県柏崎市で2009年7月24日午前10時18分、五十嵐和大撮影

 電気自動車(EV)を使ったタクシーの営業運転が24日、新潟県柏崎市で始まった。国土交通省によると、国内初の取り組み。今秋には家庭用電源で充電できるプラグインハイブリッド車(pHV)も導入する計画。

 「柏崎タクシー」(吉田一彦社長)が、軽自動車をベースに開発された三菱自動車の「i-MiEV(アイミーブ)」1台を試験的に導入した。柏崎市と刈羽村は経済産業省の普及モデル事業「EV・pHVタウン」の対象地域に指定されている。これまで軽自動車によるタクシー営業は福祉用を除き認められていなかったが、地元商工団体などの要望もあり、北陸信越運輸局が7月15日に認可した。

 運賃は、小型タクシーと同額の初乗り660円(1.5キロまで)。1回の充電で走れる距離は160キロ程度のため当面は近距離を中心に運行する。

 同市の柏崎タクシー本社で行われた発車式で、吉田社長は「EVタクシーに乗ることで、低炭素社会や温暖化問題に関心をもってほしい」と話した。【五十嵐和大】


エコカー補助:受けられない?HV人気で納車間に合わず

 政府が導入した環境対応車(エコカー)に対する購入支援制度が追い風となり、ハイブリッド車(HV)に注文が殺到し、5月に発売されたトヨタ自動車の新型「プリウス」など人気車種は生産が追いつかず、補助金の支給条件である「09年度中の納車」に間に合わない可能性が出てきた。経済産業省の望月晴文次官は23日の会見で「制度上、来年度(の納車分)まで補助金を出すのは困難」と説明したが、条件緩和を求める声が高まりそうだ。

 エコカー補助金は、一定の基準を満たした車を来年3月末までに購入した場合、普通車で10万~25万円、軽自動車で5万~12万5000円を支給。プリウスは月1万台を販売目標にしていたが、受注件数は20万台を突破。今申し込んでも既に「年度内の納車は確約できない」(トヨタ広報部)状況という。【赤間清広】

毎日新聞 2009724日 230


電気自動車:三菱自と富士重が自治体などに納車

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神奈川県庁で開かれた電気自動車の納車記念式典=横浜市の神奈川県庁で2009年7月23日午後3時39分、大久保渉撮影

 三菱自動車と富士重工業は23日、法人や自治体向けに電気自動車(EV)の納車を始めた。第1弾として、三菱自は「i-MiEV(アイミーブ)」49台を、富士重は「プラグイン ステラ」3台を、神奈川、岡山県や日本郵政グループの郵便事業会社、東京電力など各地の電力会社に引き渡した。両社は他の自治体や企業への納車も順次進める計画で、走行中に二酸化炭素(CO2)など排ガスを一切出さず、「究極のエコカー」と称されるEVの販売が本格化する。

 23日は横浜市の神奈川県庁で納車記念式典が開かれ、松沢成文知事や三菱自の益子修社長らが出席した。14年度までに県内3000台のEV普及を目指し、独自に購入補助を行う同県の松沢知事は「官民一体で排ガスゼロの社会を目指したい」とEV普及の意義を強調。三菱自の益子社長は「低炭素社会の早期実現に向けて走り出したい」と話した。

 三菱自は今年度1400台、富士重は同170台をそれぞれ自治体、法人向けに販売する予定。三菱自は10年度に個人向けも合わせ販売台数を5000台に拡大する計画で、今月31日から個人向けの予約受け付けも始める。【大久保渉】

毎日新聞 2009723日 2008分(最終更新 723日 2126分)


日産:排ガス浄化装置に使うプラチナ半減 代替触媒開発へ

2009723 230

 日産自動車は、ディーゼル車の排ガス浄化装置に使うプラチナ量の半減に乗り出す。日本が10月、新型ディーゼル車に窒素酸化物(NOx)排出量の大幅削減を義務づけるなど、先進各国で排ガス規制強化の動きが広がる中、高騰するプラチナの使用量を抑えることで、浄化装置の低コスト化を図る。

 名古屋大学などとの共同研究で、鉄系の代替物質を混ぜ、プラチナを減らした触媒でも、排出ガス浄化の効果が得られることが分かった。年数が経過すると浄化能力が低下する欠点を持つプラチナ触媒に比べ、新触媒は耐久性にも優れているという。「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」を通じ、政府の助成金を受け、5年後をめどに量産技術の開発を目指す。

 馬力が強く低燃費のディーゼルエンジンは、スポーツタイプ多目的車(SUV)や商用車に多く搭載されている。ただガソリンエンジンに比べ、NOxなどが発生しやすく、排ガスのクリーン化が課題になっている。

 先進各国の排ガス規制強化や中国など新興国での利用拡大、投機資金の流入を背景に、プラチナの世界需要は、過去10年間で約2・3倍に増加。プラチナ価格は08年、一時、1トロイオンス(約31グラム)=約2100ドル(約20万円)と、03年比で約3.5倍に上昇した。【大場伸也】

 ◇ことば・触媒


 化学反応を促進したり、反応速度を速めたりする物質。自動車用触媒はエンジンのそばに設置され、排ガスに含まれるNOxや炭化水素(HC)などの有害成分を二酸化炭素や水、窒素に変える。ディーゼルエンジンで使用する触媒の多くは耐久性などに優れるプラチナを利用している。


三菱自動車:EV車予約 31日から受け付け

2009722 1930

 三菱自動車は22日、電気自動車(EV)「i-MiEV(アイミーブ)」について、個人からの購入予約の受け付けを31日から開始すると発表した。全国約800の系列販売店で受け付け、来年5月から順次納車する。

 アイミーブは世界初の量産型EV。三菱自は23日から官公庁や法人向けの販売を開始し、09年度は約1400台を販売する計画。10年度は国内向けに生産する5000台のうち、ほぼ半数を個人向けに振り向ける方針で、価格も法人向け(459万9000円)と同程度を予定している。【坂井隆之】


電気自動車:搭載用電池をAESCが試作

 日産自動車とNECグループの合弁会社「オートモーティブエナジーサプライ(AESC)」は16日、日産が10年度に日米で発売する電気自動車(EV)などに搭載する高性能リチウムイオン電池の試作を始めたと発表した。11年度までに年間6万5000台分の量産体制を整備する。

 従来のニッケル水素電池に比べ約2倍の出力があり、10万キロ以上の走行が可能という。AESCは、この電池を国内外の他の自動車メーカーにも販売。量産効果でコストダウンにつなげたい考えだ。【和田憲二】

毎日新聞 2009716日 2133


GM:エコカー向け政府低利融資の活用を検討 CEO

2009711 1319

 米連邦破産法の手続きを終えた米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)のヘンダーソン最高経営責任者(CEO)は10日、インターネット上で質疑に応じ、電気自動車など環境対応車の開発や生産支援のために米政府が創設した低利融資制度を活用したいとの意向を示した。

 GMは公的資金を活用した500億ドル(約4兆6000億円)規模の支援を受け、米政府が約60%を出資する国営企業となった。ヘンダーソンCEOはこれと異なる政府融資の活用を求めた形。

 米政府は6月、日産自動車や米大手フォード・モーターへの低利融資制度適用を決めたが、GMは不安定な経営基盤を理由に認められなかった。

 またCEOは、既に受けた資金支援について「できるだけ早く返す」とあらためて強調。10年に目指している再上場後は「米政府が保有するGM株を売却していくだろう」と述べた。(共同)


名古屋大:エコカー開発拠点来年度、東山キャンパスに

 名古屋大学は8日、エコカー関連を中心に産学官連携で研究開発に取り組む拠点を来年度に東山キャンパス(名古屋市千種区)に設置すると発表した。トヨタ自動車やホンダ、三菱自動車などのエコカー生産・開発拠点が集積する中部地方の特性を生かし関連素材やシステムの研究開発を行う。

 新たに設置されるのは「グリーンビークル材料研究開発拠点」。大手自動車メーカーだけではなく、半導体や電池部品を製造する中小・中堅企業などと幅広く連携する。自動車や飛行機、鉄道車両の環境負荷を減らすことを目的に、主に部材の超軽量化や燃料電池を対象に研究を進める。

 経済産業省の「産業技術研究開発施設整備事業」に採択され、企業の研究室フロアやオープンスペースなどを配置した4階建ての施設を建てる。来年度完成予定で総事業費は15億円。【高橋恵子】

毎日新聞 200979日 202


三菱自動車:「i-MiEV」、10年度は個人にも販売

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三菱自動車が発表した電気自動車「アイミーブ」=東京都港区で2009年6月、津村豊和撮影

 三菱自動車は3日、電気自動車(EV)「i-MiEV(アイミーブ)」について、10年度は個人向けに約2500台販売する方針を明らかにした。当初は法人向けを中心にする予定だったが、個人からの反響も強く、10年度は国内向け販売計画(5000台)の半数を個人向けとする方針。今月下旬から受注を始め、納車は10年4月からとなる予定だ。

 アイミーブは7月下旬から売り出す。電気モーターだけで動くため、走行中に二酸化炭素(CO2)など排ガスを一切出さないのが特徴。また、割安な深夜電力で充電すれば、燃費は1キロ当たり1円とトヨタ自動車の「プリウス」などハイブリッド車と比べても格段に安い。

 ただ、車両価格が国の補助金を利用しても約320万円と高く、家庭での充電体制の整備など課題も多いことから、三菱自では当初は官公庁や企業など法人向け主体に販売する方針だった。しかし、電気自動車への個人客の関心は予想以上に高く問い合わせも多いことから、10年度以降は個人向け販売にも力を入れる。【大久保渉】

毎日新聞 200973日 2037分(最終更新 73日 2135分)


三洋電機:車載電池シェア、20年に3~4割へ

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インタビューでハイブリッド車向け電池などの戦略を話す三洋電機の本間充副社長=大阪府守口市で、横山三加子撮影

 三洋電機の電池部門を担当する本間充副社長は2日、毎日新聞のインタビューで、車載用電池事業で20年にシェア30~40%を目指す方針を明らかにした。9月にも完了するパナソニックによる子会社化後は、グループ内での調整が前提になるが、ハイブリッド車(HV)用リチウムイオン電池を生産する加西工場(兵庫県加西市)が稼働する10年度以降について「加西の第2、第3工場も検討する必要がある」と語った。【横山三加子】

 --HV用リチウムイオンの供給先は。

 ◆日米欧の自動車メーカーからいろいろな話が来ている。(家庭のコンセントで充電できる)プラグインHV用の大型リチウムイオンの試作も終え、加西には大型を含めた量産設備を導入する。

 --車載電池の将来イメージは。

 ◆20年にはHVや電気自動車の需要が最大1000万台弱となるだろう。三洋としてシェア30~40%を目指したい。10年度に加西工場を稼働し始めれば、その5年先の需要も見通せる。第2、第3加西工場の検討も必要になる。

 --現在主流のHV用ニッケル水素電池の生産能力を現在より75%増となる月産350万本にする。

 ◆小型HVは出力の少ないニッケルで十分との見方がある。(次世代の)リチウムイオン需要がいつ加速するかを見極め、ニッケルの投資も考える。

 --パソコンや携帯電話向けの状況は。

 ◆ノート型パソコン向けは台数ベースでピーク時の8割まで戻った。(米マイクロソフトの)新型OSの発売も控え、09年度は前年比20~25%増ではないか。携帯電話やデジタルカメラも台数は上がっている。

毎日新聞 200973日 230分(最終更新 73日 255分)


雑記帳:トヨタの1人乗り電気自動車デビュー 中部空港

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中部国際空港の業務用に導入された「i-REAL」=2009年6月27日午前10時20分、河部修志撮影

 トヨタ自動車が開発した1人乗り小型電気自動車「i-REAL」(アイリアル)が27日、中部国際空港(愛知県常滑市)に4台導入され、空港の警備と案内業務用として初めて実用化された。

 トヨタと空港会社が3年前から、中部空港仕様の機能や装備などを研究してきた。警備用は自動体外式除細動器(AED)を収納でき、案内用にはパソコンなどの収納スペースがある。1年間は実証期間。

 立ち乗り二輪車「セグウェイ」を警備用に導入するなどして、これまでも先進的イメージを高めてきた中部空港。「未来が見える空港」にまた一つ魅力が加わった。【河部修志】

毎日新聞 2009628日 230分(最終更新 628日 1014分)


日産:エコ運転支援システム、英国で実証実験開始へ

 日産自動車は、運転中に燃費情報などを伝えるエコ運転支援システムの実証実験を、27日から英国で始める。一般ドライバーが参加する実験を海外で実施するのは初めてで、欧州向けの次世代カーナビゲーションシステムの開発につなげる。

 運転中の燃費と前回運転時の燃費との比較情報や、エコ運転に役立つワンポイントアドバイスなどをカーナビの画面上でリアルタイムに伝える。また、走行距離ごとの燃費やアイドリング情報などを分析した結果を、インターネットで確認できる。実験は一般ドライバー約100人を対象に8カ月間実施、燃費向上の効果やユーザーの評価を検証する。国内でも06年10月から実施している。

毎日新聞 2009626日 1823


日産:米政府が16億ドル融資エコカー支援制度を適用

 【ワシントン斉藤信宏】米エネルギー省は23日、日産自動車、米フォード・モーター、米テスラ・モーターズの3社に、低燃費車生産向けの低利融資を実施すると発表した。融資枠は総額250億ドル(約2兆4000億円)で、日産への融資額は16億ドル。07年12月成立の新エネルギー法に基づく初の融資で、燃費規制を強化する見返りに低燃費車の開発・生産に融資し、環境対応車の導入を後押しする狙いがある。

 日産は米テネシー州の工場での電気自動車(EV)生産に低利融資を活用、フォードは大型車生産工場で小型車を生産するために投資する。テスラは独ダイムラーが出資する米EVメーカーで、スポーツ車タイプのEV量産体制を整える。

 新エネルギー法に基づく低利融資は昨年秋、米自動車大手3社(ビッグ3)の救済策として前倒し実施が検討された経緯がある。ただ、今回の融資には経営破綻(はたん)したゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーは含まれない。トヨタ自動車とホンダは申請を見送っていた。

毎日新聞 2009623日 2321分(最終更新 624日 031分)


日産:12年までに米で電気自動車生産年産10万台超

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会見を終え厳しい表情で退出する日産のカルロス・ゴーン社長(左)=横浜市西区で2009年6月23日、尾籠章裕撮影

 日産自動車のカルロス・ゴーン社長兼最高経営責任者(CEO)は23日の株主総会後、記者団に対し、12年までに米テネシー州のスマーナ工場で電気自動車(EV)の生産を開始する方針を明らかにした。年産は10万台超とし、エコカー分野でハイブリッド車(HV)で先行するトヨタ自動車、ホンダに迫るため、EVの量産体制構築を急ぐ。

 ゴーン社長は「日産で3モデル、(提携する)ルノーで3モデル。車種は小型車、バン、商用車などを考えている」と、日産・ルノー連合で計6モデルのEVを発売する計画を表明。「原油1バレル=80ドルを前提に、EVの価格が燃料代を含めガソリン車と同程度になるようにしていきたい」と、量産効果で価格競争力を強化する考えも示した。【大久保渉】

毎日新聞 2009623日 1913分(最終更新 623日 1919分)


三菱自:充電1回で160キロ、EV「アイミーブ」発表

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三菱自動車の電気自動車「アイミーブ」=2009年6月5日午前10時59分、大久保渉撮影

 三菱自動車は5日、1回の充電で160キロ走れる電気自動車(EV)「i-MiEV(アイミーブ)」を発表した。大人4人乗りで長距離走行も可能な実用性の高いEVの量産は世界で初めて。09年度は2000台を生産、7月下旬から主に法人向けに販売する。発表会で三菱自の益子修社長は「EVは大気汚染や脱石油などに応える究極のエコカー。アイミーブがEV普及を加速させる役割を担いたい」と述べた。

 アイミーブは軽自動車「i(アイ)」をベースに大容量のリチウムイオン電池を搭載。電圧100Vの家庭用コンセントなら14時間でフル充電が可能。ガソリンスタンドなどに設置される専用の急速充電器なら約30分で80%まで補給できる。最高速度は130キロで高速道路も走れる。

 トヨタ自動車の「プリウス」などハイブリッド車(HV)がエンジンと電気モーターを組み合わせて走るのに対し、EVの動力は電気だけ。走行中、二酸化炭素(CO2)など排ガスを一切出さない。燃費はガソリンに比べて3分の1程度で、割安な深夜電力を使って充電すれば、1キロ当たり1円で走れる計算だ。価格は438万円(税抜き)だが、国の購入補助金を加味すると約320万円となる。HVに続く、本格的なEVの登場はエコカー市場を一段と活性化しそうだ。【大久保渉】

<写真で見る>
最高速度370キロ 驚異の電気自動車「エリーカ」

 200965


電気バス:10年度までに試作車神奈川県や慶応大など

2009526 1043分 更新:526 1112

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神奈川県や慶応大が開発に着手する中型の電気バスのイメージ図=同大の清水浩教授提供

 排ガスを出さず、騒音もほとんどない八輪駆動の「次世代バス」が神奈川県にお目見えする。リチウムイオン電池で走る電気自動車(EV)で、EVのバスを車体から開発する試みは全国初。地球温暖化防止にEV普及を目指す県や慶応大、バスメーカーなどが連携し10年度までに試作車を作り、実証実験に入る。

 慶応大環境情報学部の清水浩教授が開発した最高時速370キロの電気自動車「Eliica(エリーカ)」の技術などを応用、エンジンに当たるモーターを車輪に組み込む。車体から動力装置を置くスペースを省けるためタイヤを八輪にして小型化、床を低くしてバリアフリー化も図る。

 5月スタートした検討会には、清水教授を中心に県内のバスメーカーや電力会社など16団体が参加し、1回の充電で200キロ前後を走行できる中型バス(定員約60人)の開発を決めた。県によると、既存のディーゼルバスをEVバスに改造した試みは過去にあるが、動力装置から車体まですべてを新規開発するEVバスは初めて。

 数億円と見込まれる開発資金の助成を国に働きかけるほか、民間からも募る考え。清水教授は「行政の支援で試作車を開発し、商品化していきたい」と話す。14年度までに県内でEV3000台普及を目指す松沢成文知事も「神奈川発の次世代電気バスを生み、本格的なEV社会の実現を目指したい」と意欲的だ。【木村健二】


トヨタ 新型プリウス発表

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プリウス S (アイスバーグシルバーマイカメタリック) 〈オプション装着車〉

 トヨタ自動車は18日、3代目となるプリウスを本日から発売すると発表した。東京都江東区のショールーム、MEGA WEB(メガウェブ)で開かれた会見には、次期社長が内定している豊田章男副社長が新型プリウスに乗って登場。豊田副社長は「新型プリウスで次の時代に向けた新たな車社会作りにさらに一歩踏み出す」とアピール。既に8万台の予約がきていることを明かした。

 プリウスは、車体床下の空気の流れを考慮して走行時の空気抵抗を軽減したことなどにより、従来モデルに比べ燃費を約8%改善し、1リットルあたり38キロと世界最高レベルを達成している。

 エンジンを1.5リットルから1.8リットルにアップさせ出力を20馬力アップさせるとともにモーター出力も10ワット向上させて2.4リットルエンジン並みの加速性能を実現させた。

 オプションで天井に設置したソーラーパネルで発電した電気で車内の換気をするシステムを搭載することもできる。

 価格は約205万円~327万円で、月販1万台を見込んでいる。

 豊田副社長は「社会の役に立って本当に良いものを、多くのお客様が買いたいという値段で、すべてのトヨタの店で販売する」と話している。

 また、6月8日から現行2代目プリウスをマイナーチェンジして、ホンダ・インサイトと同価格の189万円で売り出すことも明らかにした。【米田堅持】

 2009518


トヨタ:歴代ハイブリッドカーを集めた展示会スタート

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展示されたプリウスなどのハイブリッドカー=東京都江東区のMEGA WEBで2009年5月12日、米田堅持撮影

 トヨタの歴代のハイブリッドカーを集めた初の展示会「進化する!トヨタ ハイブリッドカー展」が12日、東京都江東区青海のショールーム、MEGA WEBで始まった。8月31日まで。

 展示会では、トヨタハイブリッドシステム(THS)の原点となったガスタービン・ハイブリッドを搭載し、77年の東京モーターショーに出展したトヨタスポーツ800ガスタービン・ハイブリッドカーをはじめ、95年に東京モーターショーで参考出品したプリウスや北米大陸を横断したエコミッション車、家庭用電源から充電可能な次世代のプラグインハイブリッドまで11台を展示している。サーキット向けのプリウスGTなど一部の展示車は18日まで、プラグインハイブリッドは26日までの展示予定。

 開催は午前11時から午後9時まで。休館日は6月15日、16日、7月13日。問い合わせはMEGA WEB電話03・3599・0808。【米田堅持】

 2009512


トヨタ:EXILEとコラボ ミニバン「ウィッシュ」がフルモデルチェンジ

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EXILEのメンバーがサインをしたウィッシュのボンネット=東京都内で2009年4月2日、米田堅持撮影

 トヨタは2日、ミニバンのウィッシュをフルモデルチェンジして発売した。

 CMには人気グループのEXILEを起用。新曲「Someday」のウィッシュバージョンが制作され、3日からオンエアされる。また携帯電話のオリジナル待ち受け画像やブログパーツも用意した。

 発表会ではEXILEのリーダーのHIROさんらが登場。HIROさんは「ウィッシュの(打ち出している)『強く思い続けることで、願いはかなう』という思いに共感して今回のプロジェクトに参加しました」と話し、ステージ上に置かれたウィッシュの車体にサインをした。

 ウィッシュは、環境性能と動力性能を両立させる機能「バルブマチック」を採用したエンジンと自動無段変速機を組み合わせることで、従来モデルより燃費を最大15%向上。さらにサイド&カーテンシールドエアバッグを全車に標準装備し、クラストップレベルの安全性能を備えている。

 また、5ナンバーと小回りのきくサイズを維持しながら、シートの設計を見直すなどリラックスできる室内空間を追求している。

 価格は1.8Xの184万円から2.0Zの248万円まで、月販6000台を見込んでいる。【米田堅持】

 200942


トヨタ:最上位車種「クラウンマジェスタ」をフルモデルチェンジ

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発表されたクラウンマジェスタの前に立つトヨタの渡辺社長=東京都内で2009年3月26日、米田堅持撮影
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 トヨタは26日、トヨタブランドの最上位車種となるクラウンマジェスタをフルモデルチェンジして発売した。

 クラウンマジェスタは従来モデルよりもホイールベースを75ミリ延長し、室内空間を広く快適にしつつ、国内で小回りがきくことを考慮して全長を5メートル以内に抑えた。

 室内はステアリングホイールとシフトノブなどに天然木を使用して木目本来の上質感を演出するとともに、シートを骨格から細部にわたって調整するなど、長時間でも快適に移動できるような空間に仕上がっている。

 また、見通しの良い交差点で、斜め前方から来た車と出合い頭の衝突事故を起こした際、被害を軽減する「前側方プリクラッシュセーフシステム」や衝突の可能性が高いと判断した場合にリクライニングした後席を引き起こして衝突時に乗員を保護する「プリクラッシュシートバック」など、世界初の安全装備も用意され、後席サイドエアバッグなど10個のSRSエアバッグを全車に標準装備して、安全性能を向上した。

 価格はAタイプの610万円からFパッケージの790万円まで、月販1000台を見込んでいる。【米田堅持】

 2009326


新型プリウス

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新型プリウス


BMW:
旗艦7シリーズがフルモデルチェンジ 燃費12%改善、来年にはハイブリッドも

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発表されたBMW750Li=東京都内で2009年3月24日、米田堅持撮影

 独自動車メーカーBMWは、フラッグシップの7シリーズをフルモデルチェンジし、24日に発売することを発表した。また、同社初のハイブリッドモデルも来年発売する。

 7シリーズは1977年に初代モデルが登場して以来5代目。740i、740Liに搭載される直列6気筒エンジンは出力を約7パーセント、トルクを約15パーセント向上させながら約12パーセントの燃費改善と約13パーセントのCO2削減を実現するなど、環境性能も向上させている。

 来年投入予定のハイブリッドモデルは、750iなどに搭載されるV型8気筒エンジンに電気モーターを組み合わせて約15パーセントの燃費改善とCO2削減を実現している。

 同社初の地デジ・チューナーや日本専用開発のナビゲーションシステムを採用するなど、日本市場を意識した装備が採用されている。

 価格は3リットルの直列6気筒エンジン搭載の740iの1010万円からV型8気筒の750Liまで1330万円まで。740Liは6月以降の発売を予定している。【米田堅持】

 2009324


エコ・ロマンスカー:グリーン電力で運行 小中学生ら乗車し出発

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小田急電鉄の臨時特急電車「エコ・ロマンスカー」

 風力発電による電力(グリーン電力)で運行する小田急電鉄の臨時特急電車「エコ・ロマンスカー」が22日、新宿-小田原間を走り、斉藤鉄夫・環境相や抽選で当選した小中学生の親子50組100人らが参加した。

 地球温暖化防止と低炭素社会づくりなどを訴えるため、環境省のチーム・マイナス6%と小田急電鉄、小田急箱根グループ、神奈川県箱根町が、今月1日から環境負荷の少ない公共交通機関の利用促進をはかる試みの一つとして実施した。

 小田急線新宿駅ホームでは、斉藤環境相、数馬勝・箱根町副町長、気象予報士の森田正光さん、女優の浜美枝さん、参加者などによる出発式が行われ「行ってきまーす」と、元気よくこぶしを挙げて電車に乗り込んだ。
 小田原駅までの車内では、森田さんと浜さんが「気象学から見た地球温暖化の影響」と題したトークショーや、気象予報士ユニット晴家(ハレルヤ)の気象実験教室が行われた。


 ペットボトルを使い雲を発生させる実験では、毎日小学生新聞の読者で東京都瑞穂町から参加した小学3年、近藤佑哉君(9歳)がポンプを押してペットボトルに空気を送り込むとボトルの中が白く変化した。理科が大好きという佑哉君は「ポンプが固かったけど、白く変化しておもしろかった」と感想を話した。斉藤環境相は「子供たちに残す地球のために、もっと真剣に環境問題に取り組んで行かなければならない」と語っていた。【写真・文 松田嘉徳】

 2009322


燃料電池車:国内外の車が勢ぞろい 国際水素・燃料電池展

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メルセデス・ベンツAクラス F-Cell

 国内外から473社が集まった燃料電池の世界最大の展示会「FC EXPO 2009 第5回国際水素・燃料電池展」が25日、東京ビッグサイトで始まった。

 日本初公開となるガソリン1リットル相当の水素で5385キロを走破しギネス記録を持つスイスのPAC-Car2をはじめ、国内に1台しかない米GMのEquinox Fuel CellやホンダのFCX Clarityなどの燃料電池車が展示されている。また、▽メルセデス・ベンツAクラス F-Cell▽トヨタのFCHV-adv▽日産のX-TRAIL FCV▽氷点下の寒冷地でも使用可能なホンダのFCXは試乗することもでき、国内外の最新の燃料電池自動車を見ることができる。

 同展は27日までの午前10時から午後6時まで(27日は午後5時まで)。入場料は5000円。問い合わせは03・3349・8535(同展事務局)。【米田堅持】

 2009225


ホンダ:190万円切るハイブリッド車インサイトを発表

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発表されたホンダのインサイト

 ホンダは5日、190万円を切るハイブリッド車「インサイト」を6日より発売すると発表した。インサイトは、主動力の1.3リットルエンジンに補助動力のモーターを組み合わせたハイブリッド車。低速時にはモーターのみで走行し停車時にはアイドルストップするなどの精密なエネルギーマネージメントを行うとともに、空気抵抗を低減したボディ形状を採用することで1リットル当たり30キロの燃費を達成している。

 ホンダの福井威夫社長は「ハイブリッドシステムによる優れた燃費、ホンダらしい走りとお求め安い価格を実現した新時代のスタンダードカーとして開発した」と意気込みを語った。

 価格はタイプGが189万円、タイプLが205万円、タイプLSが221万円。国内では月5000台の販売を見込んでいる。【米田堅持】

 200925


トヨタ:レクサスに高級SUV、ハイブリッド搭載タイプも4月発売

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発表されたレクサスRX

 トヨタは19日、高級車レクサスのSUV(スポーツタイプ多目的車)、RX350を発売した。同日、SUVでハイブリッドシステムを搭載したRX450hを4月に発売することも発表した。


 それまでセダン中心だったレクサスにSUVを追加し、販売を強化することを目指している。RXはのびやかなスタイルを持ちながら扱いやすく設計され、高級セダンの乗り心地とSUVの機能性を兼ね備え、競合する輸入SUVにも対抗できるモデルに仕上げている。

 RX450hは、3.5リットルエンジンに燃費性能をさらに向上させたハイブリッドシステムを搭載することで、4.5リットル車なみのパワーを持ちながら10・15モード走行で18.8キロとクラス世界トップの燃費を実現。RX350は3.5リットルエンジンと6速オートマチックトランスミッションを組み合わせ、AWD車では車速や路面状態など走行状況に最適なトルクを前後輪に配分するシステムを採用している。

 価格はRX350が460万円~565万円、RX450hが570万円~650万円。月販650台の販売を見込んでいる。【米田堅持】

 2009119


エコナビ2008:エコカー、夢の両輪 燃料電池車/電気自動車

 <ECONOMIC NAVIGATOR/ECOLOGICAL NAVIGATOR>

 自動車メーカーが、ガソリンをまったく使わずに走る次世代エコカーの開発を強化している。地球温暖化問題や原油高に対応したもので、水素を動力源とする「燃料電池車」と、家庭用電源などから充電する「電気自動車」が次世代エコカーの2大勢力になりそう。16日にはホンダが新型燃料電池車の生産を開始するなど、各社とも「究極のエコカー」作りを急いでいる。【宮島寛】

 ◇燃料電池車--排出は水だけ 課題はコスト減


 ◆1台数千万円

 ホンダが栃木県の工場で生産を始めたのは新型燃料電池車「FCXクラリティ」。7月に米国で、秋には日本でリース販売を始め、今後3年で200台の販売を目指す。

 燃料電池車はタンク内の水素を空気中の酸素と化学反応させて発電しモーターを動かすため、排出するのは水だけで二酸化炭素(CO2)は出さない。クラリティは一度に走れる距離が平均的なガソリン車を超える620キロだ。トヨタ自動車も今月、新型の燃料電池車を完成させ、年内に国内リース販売を開始、米ゼネラル・モーターズ(GM)など欧米勢も燃料電池車の開発に熱心だ。

 ただ、燃料電池車は製造工程が複雑で1台当たりのコストが「数千万円以上」(福井威夫ホンダ社長)。ホンダは10年以内に1000万円以下で販売できるようコスト削減を急ぐが、それでもまだ高い。ガソリンスタンドに代わる水素ステーションの整備も課題で、現在は官公庁など特定の利用に限られており、「一般に普及するまでに20~30年はかかる」(業界関係者)との見方が強い。

 ◆燃費10分の1

 燃料電池車より一足早く普及しそうなのが電気自動車。高価なリチウムイオン電池を使うため製造コストはガソリン車の倍以上となるが、燃費はガソリン車の約10分の1に抑えられる。最近はガソリン高で電気自動車への注目が高まっており、三菱自動車は09年夏、日産自動車や富士重工業も10年度までに販売を開始する計画だ。

 しかし電気自動車は、1回の充電で走れる距離がガソリン車の半分以下。電気自動車の使い勝手をガソリン車並みに高めようとトヨタが今月下旬、次世代電池の研究・開発に乗り出すが、2030年ごろまでの開発が目標で、当面は買い物など近距離用途に限られそうだ。

 ◇電気自動車--リチウムイオン電池、電機会社と提携


 電気自動車などの性能を左右する「リチウムイオン電池」の開発・量産化に向け、自動車メーカーと電機メーカーの合従連衡が加速している。中核部品は自社で手がけたいという自動車会社と、大口顧客を確保したい電機会社の利害が一致しているためだ。

 トヨタ自動車は松下電器産業との合弁会社を通じ、10年からリチウムイオン電池の本格生産を始める。家庭用電源で充電できる「プラグインハイブリッド車」などに搭載する計画だ。日産自動車はNECと、三菱自動車は電池大手ジーエス・ユアサなどとの合弁で、09年以降、量産に乗り出す予定だ。三菱自は仏プジョーシトロエングループと電気自動車の技術提供に向けた交渉も進めている。

 一方、三洋電機は独フォルクスワーゲンに電池を供給する契約を締結。日立製作所は米ゼネラル・モーターズに電池を供給する予定だ。

 自動車会社は競争力確保のため、「主要部品は外部調達に頼りたくない」(大手自動車メーカー)との思いが強い。一方、電機会社にとっては、「安定供給先を事前に確保した方が巨額の資金が必要な設備投資に踏み切りやすい」(電機大手)という面がある。

 ただ、「電池価格を大幅に引き下げることが不可欠」(業界関係者)と指摘されており、大量生産体制を実現するため合従連衡がさらに進む可能性もある。

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 ■ことば
 ◇リチウムイオン電池

 充電式電池の一種で、ノートパソコンや携帯電話などに使われている。軽量で電気をためる容量が大きい。現在のハイブリッド車で主に使われているニッケル水素電池に比べ体積や重量を半分以下に抑えられる。ハイブリッド車や電気自動車の燃費を高めて走行距離を延ばすことが可能で、次世代自動車の有力な動力源として開発が進んでいる。

毎日新聞 2008617日 東京朝刊
NPO IDO-Shien Forum