Hamaoka Nuclear Plant
中部電力浜岡原子力発電所


浜岡原発:地震被災の4号機運転再開へ 問題なしの評価で

 駿河湾を震源とする8月11日の地震で被災した中部電力浜岡原発4号機(静岡県御前崎市)について、経済産業省原子力安全・保安院は15日、設備に安全上の問題はなく、起動試験(試運転)の実施は問題ないと評価した。これを受け、中電は、16日以降に4号機の運転を再開する見通し。

 4号機は、定期検査後の調整運転中に強い揺れを受け、自動停止した。地震後の点検で、タービン軸の接触あとや空調ダクトの空気漏れなど16件(うち地震の影響は7件)の不具合が見つかったが、保安院は中電の原因究明と対策は妥当だと結論づけた。また、観測された揺れも4号機では耐震設計上、問題はないと評価した。

 浜岡原発は、自治体との安全協定で、運転再開について地元の事前合意を不要としている。また、3号機は点検と対策が終わる9月末以降に運転再開の見通し。一方、揺れが大きかった5号機は地盤の再評価が必要で、再開のめどは立っていない。【山田大輔】

毎日新聞 2009915日 1249


浜岡原発:
4号機、来月中旬再開へ 5号機めど立たず--中部電力が表明 /静岡

 中部電力は10日、8月11日に発生した最大震度6弱の地震で運転停止中の浜岡原発(御前崎市)について、4号機の調整運転を今月15日から行い、来月中旬には営業運転を再開する方針を明らかにした。県への地震影響説明の中で報告した。3号機も10月初旬から調整運転を予定している。一方、揺れが大きく損傷個所が多かった5号機は、再開の見通しが立っていない。

 中電静岡支店の杉山和正原子力グループ部長らが県庁を訪れ、小林佐登志・県危機管理局長らに説明した。

 杉山部長は、施設内での損傷は7日現在で47件と報告。「安全上重要な施設に損傷はなく、想定外の被害はなかった」と述べた。ただ、5号機の水平方向の加速度が1~4号機よりも2・6倍~3・9倍大きかったことを重視。早急に地層などを調べて原因分析をまとめる方針を示した。【松久英子】

毎日新聞 2009911日 地方版


中部電力:廃炉で交付金補てん、静岡県に22億円寄付

 中部電力は26日、静岡県に09年度から4年間で、最大約22億円を寄付すると発表した。廃炉にする浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)1、2号機の運転終了に伴って県が国から得る交付金収入が減るためで、差額を補てんする。

 運転年数が30年超の原発がある自治体には、国が5年間で総額25億円の交付金を支給する。県は初年度の08年度に3億円余りを受け取ったが1、2号機の運転終了で残額が交付されなくなることを受け、中部電力に配慮を求めていた。

 寄付金は、御前崎市など周辺4市が策定する災害時の避難道路などの整備計画の額に応じて支払われ、県を経由して4市に分配される。

 中部電力は「自治体の事情に配慮した」と説明している。

 中部電力はまた、11日の地震の影響で運転停止している3~5号機の運転再開に向けた点検作業を3号機は9月末にも、5号機は10月末にも終える予定だと発表した。【宮島寛】

毎日新聞 2009826日 2218分(最終更新 826日 2225分)


静岡の地震:余震は想定東海地震のプレート境界面で発生

 駿河湾で11日起きたマグニチュード(M)6.5の地震の後、想定東海地震(M8級)が起きると考えられているプレート境界面で余震が相次いでいたことが、21日開かれた地震予知連絡会で報告された。現在、余震は収まっているが、31日に開く東海地震に関する判定会で長期的な影響を議論する。

 予知連は今回の地震活動を気象庁や各研究機関の観測データから分析。本震の震源は、大陸のプレートに沈み込むフィリピン海プレートの内部だったが、この地震の後、東海地震を引き起こすとされる同プレートの境界面に、ひずみが強くなる領域と弱くなる領域が混在して生じ、強くなる領域で12日にM2.5の余震が1回、その後もM2以下が数回起きていた。

 また、本震を起こした断層は当初一つと考えられていたが、実際には違う傾きを持った二つの断層が同時に動いていた。最大のずれ幅は83センチと推定された。

 予知連の島崎邦彦会長は「あれだけ大きい地震だったので、プレート境界に何らかの影響があると思われたが、実際に活動があって、現在は収束していることが分かった。想定される東海地震の規模や時期にどう影響するかは、今のところ分からない」と話している。【石塚孝志】

毎日新聞 2009822日 1041


浜岡原発:5号機損傷目立つ 静岡地震

Pasted Graphic
5号機の屋外で確認された地盤の段差=静岡県御前崎市の浜岡原発で2009年8月21日、舟津進撮影

 中部電力は21日、11日起きた最大震度6弱の地震に見舞われた静岡県御前崎市の浜岡原発3~5号機のうち、5号機の原子炉建屋内で耐震設計指針で想定する基準値を超える488ガルの揺れを観測したのは、配管部分の可能性があるなどとする分析結果を国に報告した。全体として5号機に損傷が目立つという。今後、配管などの設備のほか、地下構造を含めた調査を進める。

 報告を受けて国は5号機の揺れが強かった理由や、制御棒の作動が適切かなどを点検するよう指示した。一方、3、4号機の建物、機器はいずれも基準値を下回った。

 また、5号機の排ガスから微量の放射性物質であるヨウ素131が外気中に放出された原因については、原子炉緊急停止時の排水処理量が通常より多かったのが原因として、地震が影響したとの見方を否定した。排水量が多かった理由は「機器の操作手法。運用改善する」と説明した。

 一方、浜岡原発の施設が21日、地震後初めて報道陣に公開された。5号機はタービン建屋床にある固定ボルト24本が破損し壁の一部にひびが入っていたほか、屋外の変圧施設付近が地盤沈下のため、建物と路面境界に約10センチの段差ができていた。1号機では取水槽の地盤の一部が最大約20センチ隆起した。中電によると、施設内で確認された被害は18日現在、5号機を中心に計46件。【舟津進、望月和美】

毎日新聞 2009821日 2220分(最終更新 821日 2242分)


気象庁:26カ所の震度計運用中止 精度に問題あり

 気象庁は21日、19都県の26カ所の震度計について、埋設の深さが不十分だったり、斜面近くに設置したことが原因で震度が過大もしくは過小に観測されるため、運用を中止したと発表した。26カ所のうち、近くに複数の震度計がある5カ所は震度観測を取りやめ、21カ所は今年度中に移設する。同庁は「防災対応に問題はない」としている。

 気象庁は5月から全国627カ所の震度計の環境を調査。静岡県熱海市網代の震度計では、周辺の震度計に比べ震度が平均で1.3大きく観測されるなど21カ所で大きく、3カ所は小さく観測されていた。【福永方人】

毎日新聞 2009821日 2011


浜岡原発:5号機排ガスに微量の放射性物質

2009820 202

 中部電力は20日、静岡県御前崎市の浜岡原発5号機の排気筒から、ごく微量の放射性物質を含む排ガスが放出されたと発表した。推計される放出量は国の保安規定値の約2万分の1で人体への影響はないという。同市は11日早朝に起きた駿河湾を震源とする地震で震度6弱を観測。同原発4、5号機が緊急停止しており、関連を調べている。

 中電によると、5号機の排気筒に設置した捕集フィルターを19日に調べたところ、1立方センチメートル当たり約10億分の3ベクレルのヨウ素131を検出した。通常の運転時には、検出限界値(同10億分の1ベクレル)以下という。このフィルターは12日に取り換えたもので、1週間ごとに異常がないかを分析している。地震により5号機は機器などが故障し、運転再開のめどは立っていない。【舟津進】


地震:
静岡で震度6弱 浜岡原発3~5号機の停止、最短でも1カ月--中電 /静岡

 ◇夏場需要に影響なし


 中部電力は17日、御前崎市で震度6弱を観測した11日の地震の影響で、同市の浜岡原発3~5号機の停止状態が最短でも約1カ月続くとの見通しを明らかにした。揺れが激しかった5号機については原因不明の故障があるため復旧のめどは立っていない。中電は夏場の電力需要には影響ないとしている。

 中電は17日、県危機管理局に状況を報告。説明によると、地震後に見つかった機器などの異常は45件。このうち17件は対応済みか、対応不要と判断したが、5号機の原子炉内の中性子の計測装置に、同社の基準で最も重い「クラスA」の問題があった。外部への放射能の影響はないが、原因は不明という。

 説明を受けた県危機管理局の小林佐登志局長は「それぞれの不具合が想定内か想定外かを区別して、今後の安全向上に努めてほしい」と注文を付けた。【舟津進、竹地広憲】

毎日新聞 2009818日 地方版


浜岡原発:5号機、中性子検出装置1個に不具合 /静岡

 中部電力は13日、浜岡原発5号機の原子炉に設置した中性子検出装置1個に不具合が見つかったと発表した。5号機は11日に御前崎市で震度6弱を観測した駿河湾を震源とする地震で自動停止した。機器管理上の影響はないという。

 中電によると、12日午後6時50分ごろ、10個ある同検出器のうち1個の測定値が上昇した。ほかの検出器に変化がなかったため、機器の不具合と見られる。地震との関連を含め原因を調べる。

 5号機建屋1階ではこの地震で488ガルの横揺れを測定。設計時の基準地震動(S1)の484ガルを上回った。近くの1~4号機に比べて5号機の揺れが大きかったことから原子力安全・保安院は地下構造などを含め調査を指示している。【舟津進】

毎日新聞 2009814日 地方版


静岡の地震:震度4~5弱の余震、確率は10% 気象庁

 11日早朝に静岡県伊豆市などで震度6弱を観測した地震で気象庁は12日、今後1週間以内に震度4~5弱の余震が起きる確率は10%と発表した。一方、地震の規模を示すマグニチュード(M)1以上の余震は同日午後2時現在で18回を記録した。

 この地震は11日午前5時7分ごろ、駿河湾を震源に発生。M6.5(暫定値)と推定された。

 気象庁の観測によるとM4以上の余震は▽11日午前6時13分のM4(最大震度2)▽同午前6時27分のM4.4(同3)▽同午後6時9分のM4.4(同2)--の3回。12日以降の震度1以上は午後2時現在で1回(震度1)だった。

 余震の回数について、発生から24時間以内に61回を数えた04年の新潟県中越地震(M6.8)などの同規模地震に比べ、比較的少ないという。

 気象庁は「震源が陸地から離れた海底にあることなどが考えられるが、今後1週間は場所によって震度4~5程度の地震が発生する恐れがある」と注意を呼び掛けている。【石塚孝志】

毎日新聞 2009812日 1852


地震:浜岡原発5号機で制御棒駆動装置が一部故障

Pasted Graphic
地震で4、5号機が自動停止した浜岡原発=静岡県御前崎市で2009年8月11日午前10時1分、本社ヘリから長谷川直亮撮影

 11日午前5時7分ごろ、駿河湾を震源として発生した強い地震で、震源から約40キロの中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)では、自動停止した5号機で原子炉の出力を調整する制御棒の駆動装置が一部故障するなど、計24件の異常が見つかった。経済産業省原子力安全・保安院は調査チーム3人を派遣し、地震の被害と安全性の確認作業を始めた。

 中電によると、地震後、5号機原子炉建屋内で約250本ある制御棒のうち約30本の駆動装置が故障していた。使用済み燃料を入れた貯水槽の放射能濃度が通常の50倍に上昇し、主タービン軸受け部の摩耗を示す警報装置が作動したことも判明。タービン建屋壁面のひび割れも見つかった。自動停止した4号機でも原子炉内の中性子測定装置の一部が動作不能だったほか、廃炉の1、2号機周辺で最大約20センチの地盤隆起や沈下が見つかった。【山田大輔】

毎日新聞 2009811日 2344分(最終更新 812日 020分)


地震:浜岡原発が停止 放射能漏れなし

 震源から約40キロの中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)では11日、運転中だった4、5号機が自動停止した。経済産業省原子力安全・保安院や中電によると、放射能漏れや火災は起きていないという。

 5号機では地震発生直後、原子炉建屋内の燃料交換エリアで空気中の放射線量が高いことを示す警報が出た。最大で通常の8倍の毎時0.019ミリシーベルトを記録したが、午前7時には警報値(0.01ミリシーベルト)を下回った。主排気筒の放射線モニターの数値に異常はなく、中電は「外部への影響はない」と説明している。【山田大輔】

毎日新聞 2009811日 1041


浜岡原発:中部電、MOX燃料の国検査を延期 /静岡

 中部電力は7日、浜岡原発4号機で実施するプルサーマル用のMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料に対する国の品質検査を延期すると発表した。輸送された燃料体28体を中電が検査したところ2体で、燃料棒の固定装置にずれがみつかったため。国の検査は12日から3日間の予定だった。

 中電によると、燃料体は3基の大型容器に分納されている。2基分の検査は終了。ずれは2番目に検査した容器(12体収納)で計4カ所みつかった。当初の計画では、中電による3基目の検査と並行して国の検査を行う予定だった。【舟津進】

毎日新聞 200988日 地方版


浜岡原発:4号機、水素濃度警報作動 検出器故障が原因 /静岡

 中部電力は5日、調整運転中の浜岡原発4号機の気体廃棄物処理系で先月29日、水素濃度の警報機が作動した原因は水素流量検出器の故障とみられると発表した。4、5号機の同処理系で昨年末から相次いで発生した水素濃度の異常上昇とは別の原因だったと推定している。

 中電によると、原子炉内の応力腐食割れを防ぐために注入する水素量が検出器の故障で平常値の2倍近くに増加。連動する気体廃棄物処理系の水素濃度も上昇したらしい。

 また、4号機で10年度から実施するプルサーマル用のMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料の検査で、燃料28体のうち2体について、複数の燃料棒をまとめて固定する装置が斜めにずれて装着されているのが見つかった。燃料体の外観や形状に異常はないという。

 検査は今月中旬まで行われる。【舟津進】

毎日新聞 200986日 地方版


川勝知事:当選1カ月 政策具体化、これから 目立つ精力的活動 /静岡

 ◇「理念先行」の指摘も


 16年ぶりの新知事として、川勝平太知事が知事選で初当選してから5日で1カ月。県民の関心事である日本航空(JAL)福岡便の搭乗率保証の見直しのほか、静岡空港の就航便の利用率アップに向けて職員の尻をたたくなど精力的な動きが目立つ。ただ、焦点の一つである浜岡原発(御前崎市)6号機の新設問題では方針が見えないなど課題も浮き彫りになった。「県庁の道場主」「日本の理想郷」など独特の言い回しで「学者知事」が熱っぽく語る理念が政策に反映されるまでには、しばらく時間がかかりそうだ。

【松久英子、浜中慎哉】

 ◇スピードアップ


 川勝知事は4日、世界経済史学会に出席するためオランダに滞在中だが、知事就任後は毎日、午前8時には県庁に登庁している。待ち受ける県幹部から課題などの報告を受ける。当初は知事公舎から午前7時すぎに登庁しようとしたが、「部屋の清掃などもあるので、午前8時にしてもらった」(秘書室)。出勤時間は、石川嘉延前知事より1時間以上早いという。

 「スピード感が大事」と言う通り、県職員は「今までと求められる速さが違う」。就任2日後の10日には、静岡空港からJAL福岡便で福岡県を訪問。麻生渡知事から利用促進に協力を取り付けた。

 17日には利用率を上げるため県庁に「利活用戦略本部会議」を発足。空港施設の配置まで注文をつけ、8月末までに搭乗率保証を見直すと表明した。

 ただ今のところ目に見える具体策は、知事選でも訴えていた、県立美術館の学生の入場無料化(8月末まで)の試行にとどまる。

 ◇浮かぶ苦手分野


 早稲田大教授などを務めた学者出身だけに、教育や経済に話題が及ぶと、持論をとうとうと語る。県議会で経済政策の質問を受けると、英国の経済学者、アダム・スミスやケインズを例に引いて持論を展開。記者会見ではオーストリア出身の経済学者シュンペーターの理論に基づき、県内産業活性化の持論を10分以上話し続ける「独演会」となった。

 「苦手科目」も浮かぶ。県との関係も約2年前、浜松文化芸術大学長に就任してから。県の課題は、消化し切れていない印象だ。

 例えば、浜岡原発1、2号機を廃炉にし、6号機を新設するリプレース計画など原子力政策は「まだ勉強中」(県幹部)。この問題については県議会でも県幹部がすべて答弁した。

 前県政から一転、「野党」となった自民党の小楠和男県議から「県の部長の話は分かり切っている。これまでずっと同一歩調でやってきたんだから。知事の考えを明らかにしてほしい」と迫られた。

 ◇裏付けが課題


 独壇場とも映る理論や理念を語る場面だが、県幹部もその狙いや意味をつかみかねる場面がある。川勝知事は「第1次、第2次、第3次産業を組み替え、6次産業を生み出す」と新産業の創出を目指すと訴えたが、「正直イメージがわかない」(県職員)。県議会の委員会で問われたが、県幹部は「これまでの理念とは違ったものになる。早急に案を作りたい」と答えるのが精いっぱいだった。

 県議会の所信表明で述べた「JICA(国際協力機構)大学院」構想も、手探り状態。「川勝イズム」が浸透するには時間が必要のようだ。

==============

 <川勝知事語録>
 ・和の心を持ってノーサイド(7月6日、初当選から一夜明けて記者団に)
 ・私自身は、やる気満々です。皆さんは? イエス・オア・ノー?(8日、就任式で県職員に)
 ・知事と呼ばなくて、「平太さん」でよいです。私は(県職員の)皆さんを支える役割でありますので、踏みつけてください(同)
 ・県庁という道場の道場主になる覚悟で登庁した(同日、就任記者会見で)
 ・「住んでよし、訪れてよし」に「働いてよし」を付け加え、静岡を日本の理想郷に(同)
 ・一に勉強、二に勉強、三に勉強(21日、県議会での所信表明演説で)
 ・ブータン国王が提唱した「GNH」(国民総幸福度)で県を日本一に(同)
 ・まず型に入り、型を守る。それから型を破るという順序。ですから、型通りになった。議場からは「従来と変わっていない」と厳しいヤジが飛んだが、私もそう思った(24日、答弁書の棒読みだと県議会で批判された後、記者団に)
 ・「チーム川勝」として答えていく(27日、県議会代表質問に答えて)

毎日新聞 200985日 地方版


浜岡原発:4号機MOX燃料検査、報道陣に公開 /静岡

 中部電力は3日、浜岡原発4号機で10年度から始まるプルサーマル用のMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料の検査を報道陣に公開した。フランスで製造された28体のMOX燃料が海上輸送中などに損傷していないかを確認する。検査後は、4号機原子炉建屋内の燃料プールに保管される。

 特殊容器に入った燃料体(長さ約45メートルの細い棒状)を同建屋4階に移した後、検査台に1体ごとに置いて、作業員が特殊カメラなどで変形や傷がないかを点検した。IAEA(国際原子力機関)の係官も立ち会った。

 MOX燃料の放射線量はウラン燃料の約40倍のため、作業員は手で直接触れないよう特殊な用具を使って慎重に扱った。検査は今月中旬まで行われる。【舟津進】

毎日新聞 200984日 地方版


静岡・浜岡原発:5号機、営業運転を再開

 中部電力は29日、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)5号機が営業運転を再開したと発表した。

 水素濃度の異常上昇で昨年末に停止した5号機は、再発防止策を施したうえで6月25日に調整運転を再開。経済産業省による最終検査が終わったため、営業運転に切り替えた。同様のトラブルに見舞われていた4号機も今月15日に調整運転を再開しており、8月中旬にも営業運転に入る見通し。【宮島寛】

毎日新聞 2009730日 中部朝刊


浜岡原発:5号機、営業運転 /静岡

 中部電力は29日、浜岡原発5号機の営業運転を同日午後5時再開したと発表した。昨年9月、第3回定期検査を開始。11月にいったん原子炉を起動したが、気体廃棄物の処理系機器の故障で停止。原因究明に手間取り今年6月25日、原子炉を再起動して調整運転を続けていた。

 今回の検査で燃料集合体192体を新燃料に交換した。【舟津進】

毎日新聞 2009730日 地方版


浜岡原発:4号機、水素濃度の警報 放射能の影響なし--調整運転中 /静岡

 中部電力は29日、調整運転中の浜岡原発4号機の気体廃棄物処理系で水素濃度の警報機が作動したと発表した。警報は間もなく消え、水素濃度は通常値を示したため運転を継続している。外部への放射能の影響はないという。4号機は2月から定期検査を開始。5月2日に調整運転を始めた直後、気体廃棄物処理系の機器故障で原子炉を緊急停止し、今月15日に調整運転を始めたばかりだった。

 中電によると、29日午前10時6分、主蒸気管の放射能レベルが規定値を超えたことを示す警報が点灯したが、作業中だった水素注入を停止したところ消えた。しかし、その約17分後に別系統の排ガス復水器出口に設置した水素濃度計が規定値の4%を超え、警報機が作動したという。

 中電は系統の違う2カ所の警報機が相次いで作動した原因や、前回の気体廃棄物処理系機器故障との関連を調べる。【舟津進】

毎日新聞 2009730日 地方版


浜岡原発:4号機、調整運転開始--緊急停止から2カ月半 /静岡

 中部電力は15日、浜岡原発4号機の原子炉を同日午後3時4分に起動し調整運転を始めたと発表した。4号機は2月から第11回定期検査を開始。5月2日に調整運転を始めた直後の5日、タービン建屋内の気体廃棄物処理系の機器故障で原子炉を緊急停止した。

 同様のトラブルで昨年末から停止していた5号機も先月25日、調整運転を再開している。両機とも運転を継続しながら点検し、国の最終検査に合格すれば営業運転に移る。【舟津進】

毎日新聞 2009716日 地方版


静岡・浜岡原発:4号機、きょう調整運転 来月にも「営業」--中部電力

 中部電力は14日、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)4号機の調整運転を15日にも再開すると発表した。

 4号機は定期点検中の5月5日、配管内の水素濃度が異常上昇して停止。一時は5号機も同様のトラブルで停止していたが、水素を酸素と化学反応させて水にする触媒の製法に問題があったことが判明したため、5号機は6月25日に調整運転を始めていた。

 4号機も触媒を交換するなどの対策を終えたため、調整運転に入る。

 調整運転に入った後、国による最終検査を経て8月にも営業運転に入る見通し。【宮島寛】

毎日新聞 2009715日 中部朝刊


浜岡原発:4号機、15日にも調整運転

 中部電力は14日、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)4号機の調整運転を15日にも再開すると発表した。

 4号機は定期点検中の5月5日、配管内の水素濃度が異常上昇して停止。一時は5号機も同様のトラブルで停止していたが、水素を酸素と化学反応させて水にする触媒の製法に問題があったことが判明したため、5号機は6月25日に調整運転を始めていた。

 4号機も触媒を交換するなどの対策を終えたため、調整運転に入る。

 調整運転に入った後、国による最終検査を経て8月にも営業運転に入る見通し。【宮島寛】

毎日新聞 2009715日 217


アスベスト:中電に賠償命令 原告の妻「夫は帰ってこない」 中電は謝罪を

 「夫には『勝ったよ』と声をかけてあげたい」--。アスベスト(石綿)を使った施設で働く社員への中部電力(中電)の安全配慮義務違反を認めた名古屋地裁判決を受け、原告の藤原重子さん(70)が7日、名古屋市内で会見した。重子さんは勝訴を喜ぶ一方、「お金をもらっても夫は帰ってこない。中電は謝罪してほしい」と訴えた。

 夫の健二さんは58年の入社後、退職するまでの40年間、火力発電所で勤務。99年の退職後の05年2月、激しくせき込むようになり、5月に大学病院で診察を受けたところ、悪性中皮腫と診断された。

 重子さんは、健二さんが入退院を繰り返して労災が認められた後も、一度も見舞いに訪れなかった中電側の対応に不信を募らせた。健二さんも06年9月の死の直前、重子さんに「中電は私の老後の一番大事な部分を奪い去り平然としている」と悔しさをにじませたという。健二さんの遺影を抱えて会見に臨んだ重子さんは「本人(健二さん)が一番つらかったと思う」と振り返った。また、石綿被害に苦しむ人たちには「勇気を出して声をあげてほしい」と呼びかけた。【山口知、式守克史】

==============

 ■解説
 ◇一般ユーザーの立場主張認めず

 7日の名古屋地裁判決はじん肺法が制定された60年4月以降、アスベスト(石綿)を製造・加工する企業と同等の安全配慮義務が中電側にあったと認め「じん肺法が制定された当初は石綿製品のユーザーに過ぎなかった」として石綿被害の予見可能性を否定してきた中電側の主張を退けた。

 中電側は訴訟で石綿を製造・加工するなど直接扱う企業との責任の差を強調。「ユーザーに過ぎない中電が、国や製造・加工業者の対策をも上回る安全対策を取る義務はない」「石綿製品の使用禁止の流れが強まった昭和60年代以前に石綿粉じんで中皮腫が発症することは予見できなかった」と争った。

 これに対し、判決は中電が(1)保温材など多くの石綿製品を使用した火力発電所を複数所有する(2)じん肺法などの制定を受け、安全衛生指針を定めて対策を行っていた--ことなどを挙げ、「中電を一般の最終ユーザーと同視することはできない」と判断した。

 弁護団によると、中電は昭和30年代、相次いで火力発電所を建設。弁護側は今回争った件以外に、中電の火力発電所に従事した退職者6人が08年8月~今年2月に石綿関連の疾患を発症したとする証拠も訴訟で提出し、石綿被害の広がりを警告した。さらに、静岡県御前崎市の浜岡原子力発電所で04年まで18年間勤務し、中皮腫で死亡した男性の遺族が中電を相手に損害賠償を求め静岡地裁で係争中。安全配慮義務違反を明確に認めた今回の判決が与える影響は大きい。【式守克史】

毎日新聞 200978日 中部朝刊


静岡知事選:一夜明け川勝さん「国政にも影響する」

Pasted Graphic 1
自身の当選を伝える新聞各紙に目を通しながら報道陣の質問に答える川勝平太氏=静岡市葵区の事務所で2009年7月6日午前9時過ぎ、竹地広憲撮影

 自民、民主両党の激戦となった静岡県知事選から一夜明けた6日、民主党などの支援を受けて初当選した静岡文化芸術大前学長、川勝平太さん(60)は記者団に「保守王国の静岡にも閉塞(へいそく)感があり、『変えてほしい』という風を体で感じた」と振り返った。知事選での勝利を「国政にも影響するだろう」と語り、間近に迫った衆院選に影響するとの見方を示した。

 川勝さんは6日、午前9時にJR静岡駅前の事務所に姿を見せると、自身の当選を報じる朝刊各紙を広げ、記者団の質問に笑顔で応じた。地方分権の推進を掲げて勝利したことを踏まえ「中央に頼らない自治の気風が日本各地に満ち満ちていく」と、今後への期待を語った。

 7日に当選証書を受け取り、知事としての職務を始める。【望月和美】

毎日新聞 200976日 1105分(最終更新 76日 1300分)

NPO IDO-Shien Forum