Barrier-free Access
バリアフリーの街づくり


新幹線:目の不自由な男性が転落し重傷 岐阜羽島駅ホーム

201013 210分 更新:13 2312

 3日午後5時ごろ、岐阜県羽島市福寿町のJR岐阜羽島駅の下り新幹線ホームで、同市竹鼻町の無職男性(66)が誤って線路に転落した。男性は目が不自由で、肋骨(ろっこつ)を折るなどの重傷。

 岐阜県警岐阜羽島署によると、男性は友人らと東京へ初詣でに出かけた帰りで、1人で同駅で降車した。新幹線が出発した直後に高さ1.5メートルのホームから足を踏み外して転落したという。同駅ホームには、事故防止用の柵はない。事故に気付いた別の客が後続の新幹線を緊急停車させる防護スイッチを押した。

 JR東海によると、同日の東海道新幹線下りの乗車率は10~90%で、目立った混雑はなかった。この事故で、上下線計7本が11~18分遅れ、約1万人に影響した。【中村かさね】

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介助犬:JRが同伴拒否 受け入れ義務、職員理解せず

20091117 150分 更新:1117 150

 千葉県市原市で介助犬と暮らす男性(48)が10月、JR鎌取駅(千葉市緑区)で新幹線の乗車券を買う際、介助犬の同伴を一時断られていたことが分かった。身体障害者補助犬法(02年施行)はすべての施設や交通機関に対し、介助犬や盲導犬の受け入れを義務付けているが、窓口職員は理解していなかったという。「日本介助犬協会」(本部・東京都)などは16日、同駅を所管するJR東日本に対し、再発防止を求める要望書を送付した。

 男性によると、同伴拒否があったのは先月20日。男性の妻(43)が同駅でJR名古屋駅までの新幹線の乗車券を求め、介助犬の同伴を伝えたところ、窓口職員に「(東海道新幹線を運行する)JR東海は盲導犬のみ同伴を許可しており、介助犬は認めていない。他の交通機関を利用してほしい」と拒まれた。妻は受け入れが法的義務であると説明したが理解されず、男性本人が電話で交渉。最終的に職員は誤りを認めたが、発券まで3時間以上かかったという。

 男性は「あきらめて車で行こうかとも思ったが、ほかの介助犬使用者のためにも説明に努めた。JRには法に基づいた対応をお願いしたい」と話す。日本介助犬使用者の会の木村佳友会長は「法施行から7年たったにもかかわらず、公共交通機関で同伴拒否が起きたことは大変残念。全職員に法律を周知徹底させてほしい」と求める。

 JR東日本は毎日新聞の取材に対し「ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。今後、このようなことがないよう社員教育を徹底し、再発防止に全力を尽くしたい」とコメントした。【川久保美紀】


千駄木駅にエレベーターを 利用者の会1165人の署名
「使いやすい駅に」東京メトロ前向き回答

 東京メトロ千代田線の千駄木駅へのエレベーター設置を求める署名活動を行った「千駄木駅にもエレベーターを! 利用者の会」(呼びかけ人代表・関根義雄さん)は6日、東京メトロ本社に1165人分の署名と要望書を提出した。
 千代田線20駅の中でエレベーターが一基もないのは千駄木駅だけ。利用者の会は先月中旬から駅出口を中心に利用客を対象に署名活動を始めたが、三週間足らずで千人を超えたという。
 東京メトロはすでに同駅の団子坂出口近くに用地を確保している。利用者の会によると、要望に対し同社は、エレベーター単独ではなく、「列車風」対策など総合的に使いやすい駅にすることを目指して検討を進めており、社内関係部署で投資額を詰めている段階と説明したという。
 同駅へのエレベーター設置をめぐっては、地元都議や区議、町会長らでつくる「千駄木駅を愛する会」も5年前から同社と交渉を続けており、「あともう少しのところまできている」と話している。(中里宏)

11月7日 東京新聞朝刊


専用駐車区間:妊婦・産後OK 高齢・障害者用、4月新設

2009115 1118

 警察庁は、来年4月から官公庁周辺などの路上に新設される高齢者と障害者の専用駐車区間について、妊娠中か出産後8週間以内の女性も対象とすることを決めた。対象外の人が止めた場合などの反則金(放置違反金)は通常の違法駐車に2000円上乗せし1万7000円とする。道路交通法施行令の一部改正案として、6日から12月5日まで一般から意見を募集する。

 専用区間の導入は今年4月の道交法改正で決定。官公庁や病院、公園周辺など高齢者らの利用が多く見込まれる場所に設置される。各警察本部が予定地を選び、都道府県の公安委員会が決定する。

 利用できるのは、70歳以上の高齢者▽障害者マーク・聴覚障害者マークの対象者▽妊娠中か出産後8週間以内の女性。駐車する際には、都道府県公安委が交付するA5判サイズの標章を掲示しなければならない。標章は各自で申請する。【千代崎聖史】


省庁HP:バリアフリー化 総務省、調査・勧告へ

 中央省庁など34機関のホームページ(HP)が高齢者や障害のある人に使いやすいかの調査を、総務省が進めている。画面上の配色が見えにくかったり、文字が拡大できないなどの課題が見つかっており、年内に担当している機関に勧告して、来年度中の改善を求める。ネットのバリアフリーを目指す取り組みで注目される。

 調査は同省行政評価局が8月に開始。日本工業規格(JIS)で定める、高齢者や障害のある人に配慮したHP製作の指針を基に、一般に公開されている、ネットのアクセシビリティー(接触しやすさ)を評価する専用ソフトなどを使ってチェックしている。

 ハローワーク関連のページでクリックするボタンの文字が色覚障害者に見えにくかったり、年金関連のページで音声読み上げが不十分で視覚障害者がサービスを申し込む方法を理解できない、などの課題が見つかったという。

 民間でネットのアクセシビリティー向上を目指す動きも出ている。NPO法人「ハーモニー・アイ」(東京都江東区)は官民にこだわらず、配慮の行き届いたHPを審査・表彰する「だれもが使えるウェブ・コンクール」を行う。公式HP(http://daremoga.jp/)上で10月から自薦・他薦でHPを公募し、視覚障害者を含む市民モニター300人が審査して表彰する。

 問い合わせはハーモニー・アイ事務局へメール(harmony-i@harmony-i.org)で。【青木絵美】

毎日新聞 2009922日 1349


障害者自立支援法訴訟:法廷も視覚バリアフリー 神戸地裁、名乗ります
 ◇「裁判官の佐藤です」「被告の代理人です」

 障害者自立支援法が法の下の平等を定めた憲法に違反すると訴えている集団訴訟で、神戸地裁は、法廷で裁判官や訴訟関係者が発言する際、自分の立場などを名乗ることに決め、28日の第3回口頭弁論から適用した。原告や傍聴者に視覚障害者がいることを考慮した。原告側代理人によると、全国13地裁で行われている一連の訴訟では初の措置といい、「法廷のバリアフリー化に向けて前進」と評価している。

 前回の口頭弁論で原告側が「視覚障害者に発言者が誰か分からない」と、要請した。

 この日の口頭弁論で佐藤明裁判長が「どちらの代理人かを明らかにしてほしい」と要請。法廷では「裁判官の佐藤です」「被告の指定代理人です」などと名乗って弁論を行った。被告側は、答弁書などもパソコンソフトで音声化できるように原告側にデータでも提出したという。口頭弁論で意見陳述した原告で視覚障害者の今泉勝次さん(59)は「裁判がわかりやすくなった。訴訟の当事者として、進行状況が逐次、理解できることがうれしい」と話した。【吉川雄策】

毎日新聞 2009829日 大阪朝刊



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