Shoes fly as Bush visits Iraq

靴投げ記者:
イラク戦争の遺族らを支援…財団設立へ

 【ジュネーブ伊藤智永】イラク戦争に抗議して昨年12月、バグダッドの記者会見場で退任間際のブッシュ米大統領に靴を投げつけたイラクのジャーナリスト、ムンタダール・ザイディ氏が、スイスのジュネーブを訪れ、同国に財団を設立してイラク戦争で夫や両親を亡くした女性や子供、障害者、医療機関を支援する活動を始める考えを表明した。同氏の行為に共鳴したイスラム世界を中心とするカンパで、すでに多額の資金が集まっているという。

 ザイディ氏は暴行の現行犯として拘束され、イラクの裁判所で禁固3年の判決を受けたが、同1年に減刑されて服役し、先月釈放された。

 その後、AFPなどのインタビューに「スイスへ行きたい。偉大な民主主義の伝統があり、多くの国際機関があって、そのいくつかは子供を守る組織だから」と話していた。

 裁判で評価された「謝罪」については、取り調べ中に拷問されたためで、「仮に時計の針が戻れば、私はやはり同じことをした」とも語っている。

 ただし、今回のスイス入国は3カ月の観光ビザによるもので、亡命申請は認められなかった。また、ジュネーブの地元紙が市民2200人余りを対象に行ったアンケートでは、ザイディ氏の定住受け入れに、賛成35%、反対61%という結果が出ている。

毎日新聞 2009年10月23日 11時40分(最終更新 10月23日 11時55分)

イラク:
靴投げ服役の記者、9カ月ぶり釈放

2009年9月16日 10時41分 更新:9月16日 11時15分

Pasted Graphic
15日、イラク・バグダッド刑務所から釈放されたザイディ記者(中央)=AP

 【カイロ和田浩明】昨年12月に記者会見中のブッシュ前米大統領に靴を投げ、外国指導者を襲撃した罪で服役中だったイラク人テレビ記者、ムンタダール・ザイディ受刑者(30)が15日、9カ月ぶりにバグダッドで釈放された。

 AFP通信などによると、ザイディ記者は自らの行動について「(米軍の)占領によるイラク人の被害に抗議するためだった」と説明。今後はイラク戦争で家族を亡くした女性や子供を支援したいとの意向を示した。

 また、「拘束中に電気ショックなどで拷問された」「米情報機関に命を狙われることになる」などと述べ、身の安全に対する強い懸念も表明、釈放後の滞在先を明らかにしなかった。親族はAP通信に「ギリシャで健康診断を受ける」と述べた。

 ザイディ記者は今年3月、禁固3年の有罪判決を受けたが、刑期は1年に短縮され、模範囚だったため早期釈放された。

 イラク戦争を強行したブッシュ氏に対するザイディ記者の行動は当時、イスラム諸国で「英雄的」と歓迎された。一躍有名人となった同記者の元には、家やスポーツカーを贈るとの申し入れや、アラブ主要テレビ局からの高給での引き抜きの打診などが集まっているという。

世界の雑記帳:
イラクの「靴投げ記者」釈放、議員も出迎え

Pasted Graphic 1
 9月15日、昨年12月にイラクを訪問したブッシュ前米大統領に靴を投げ付け、有罪判決を受けたイラク人記者ムンタゼル・ザイディ受刑者が刑期満了より早く釈放された。写真は同日、バグダッドで開いた記者会見で(2009年 ロイター/Mohammed Ameen)

 [バグダッド 15日 ロイター] 昨年12月にイラクを訪問したブッシュ前米大統領に靴を投げ付け、有罪判決を受けたイラク人記者ムンタゼル・ザイディ受刑者が15日、刑期満了より早く釈放された。家族が明らかにした。

 記者会見中のブッシュ前大統領に靴を投げたザイディ氏の行為には多くのイラク国民が共感しており、刑務所の外では、国会議員らも出迎えたという。

 ザイディ氏は、訪問中の国家元首に暴行を働いた罪で禁固3年を言い渡されたが、後に1年に減刑されていた。

2009年9月16日 8時48分

世界の雑記帳:
イラク「靴投げ記者」釈放へ、今後のキャリアは検討中

Pasted Graphic 2
 9月13日、イラク訪問中のブッシュ前米大統領に靴を投げ付けたイラク人記者が14日に釈放される見通しが明らかに。写真は釈放を喜ぶ同記者の親類ら(2009年 ロイター/Mohammed Ameen)

 [バグダッド 13日 ロイター] 昨年12月にイラクを訪問したブッシュ前米大統領に靴を投げ付け、有罪判決を受けたイラク人記者、ムンタゼル・ザイディ受刑者が14日に釈放される予定。バグダッドでは、世界的に有名になったザイディ受刑者を英雄として歓迎するとみられている。

 イラク政府は、記者会見中のブッシュ前大統領に靴を投げた行為を「野蛮な行動」と非難。ザイディ受刑者は、訪問中の国家元首に暴行を働いた罪で禁固3年を言い渡されたが、後に減刑された。

 ブッシュ前大統領が靴を投げ付けられ、「犬」と呼ばれた映像は、世界中で数百万人が視聴。中東では、こうした行為は最大の侮辱と見なされている。

 ザイディ受刑者の兄弟は、釈放を前に支援者がすでに横断幕などを掲げており、釈放場所となる予定のバグダッドの空軍基地には多くの人が集まるだろうと話した。また、すでに複数のメディアから仕事の依頼が来ているものの、今後のキャリアについては、まだ検討中であるとも明かした。

 ザイディ受刑者はカイロに拠点を置くテレビ局アルバグダディヤに所属。同テレビ局幹部によると、収監中も給与が支払われていたほか、バグダッドには住居も用意されている。

2009年9月14日 13時42分

イラク:
記者釈放求め数千人デモ 「米大統領に靴」に共感

 【カイロ高橋宗男】イラクの首都バグダッドを訪問したブッシュ米大統領に靴を投げつけ、拘束されたイラク独立系テレビ「バグダディヤ」のザイディ記者(29)の釈放を求める数千人の市民が15日、バグダッドでデモ行進した。同記者の行為は、イラク内外のアラブ社会に共感の輪を広げている。

 ザイディ記者は今年3月にバグダッドのサドルシティーで起きた米・イラク軍とイスラム教シーア派民兵組織の衝突を現場から伝えた数少ない記者の一人。米軍の空爆などによる被害を間近で取材した体験が、今回の「事件」の引き金になったとの見方も出ている。

毎日新聞 2008年12月15日 23時04分

イラク復興:
「9兆円の失敗」…特別監察官草案 米紙報道

 【ワシントン草野和彦】米紙ニューヨーク・タイムズ紙などは14日、イラク復興事業が無駄遣いやずさんな計画のために「1000億ドル(約9兆1000億円)の失敗」になっているとする特別監察官の報告書草案を報じた。「失敗」の最大要因として「米政府は、復興事業に向けた十分な準備ができていなかった」点をあげている。フセイン政権打倒後の青写真がないまま踏み切ったイラク戦争の実態を、改めて浮き彫りにした。

 草案はボーウェン特別監察官がまとめたもので、来年2月に連邦議会の公聴会に提出されるという。

 報告書は場当たり的な例として、米政府の担当者が4時間で作り上げたイラク国内の道路建設計画が、そのまま採用されたケースを紹介。当時のパウエル国務長官の証言として、国防総省がイラク治安部隊の人数の増加をでっち上げ続けたことにも触れている。

 さらに復興事業は、イラク国内のインフラを開戦前のレベルに戻しただけで、基幹産業である石油生産は今年に入っても、開戦前より低い水準にあるとしている。

毎日新聞 2008年12月15日 11時41分

米大統領:
靴投げられる…イラク記者に「犬」呼ばわりされ

Pasted Graphic
とっさに身をかがめ、飛んできた靴をよけるブッシュ米大統領。
記者と大統領は6メートルほど離れていた=AP

 【カイロ高橋宗男】ブッシュ米大統領は14日、バグダッドを電撃訪問し、イラクのマリキ首相らと会談した。首相との共同記者会見で、イラクのテレビ局の男性記者が「犬め」と叫びながら履いていた左右の靴を大統領に投げつけた。大統領はよけて無事。地元メディアは「英雄的行為」などと伝えており、ブッシュ大統領への根深い反感を示している。

 男性記者は大統領から6メートルほど離れた席に座っていたが、突然、「これはイラク人からの別れのキスだ。犬め」とアラビア語で叫び、靴を投げつけた。記者は警備員に取り押さえられ、連行された。

 イラクで犬はさげすまれている動物の一つ。一般的にイスラム教徒の間では靴を投げつけたり犬呼ばわりすることは、最大級の侮辱にあたる。

 ブッシュ大統領は靴を二つとも巧みによけ、「事実を得たいなら(投げられた靴の)サイズは10だ」と冗談を飛ばす余裕を見せた。傍らのマリキ首相はこわばった表情で「あなたはイラクを長期にわたって支持し続けてくれた」ととりなした。

 イラクからの情報によると、この記者は独立系テレビ、バグダディヤのムンタダール・ザイディ記者(29)。同記者は昨年11月に何者かに誘拐され、3日間拘束されている。靴を投げた動機は分かっていない。

 国営テレビ・イラキヤや有力政党系列のテレビは「事件」を報じていないが、ほかのテレビ局は多くの国民の心情を代弁した「英雄的行為」と伝えている。バグダディヤは事件後に拘束されたザイディ記者の釈放を求めている。

 ブッシュ大統領は今回の訪問で、両国が締結した地位協定や治安改善などの成果を強調したい意向だった。大統領のイラク訪問は03年3月開戦のイラク戦争後、4度目で、任期中最後とみられる。

毎日新聞 2008年12月15日 10時31分(最終更新 12月15日 12時52分)

米大統領:
靴投げ付けられる 「犬野郎」とイラク人記者に

 ブッシュ米大統領は14日、イラクの首都バグダッドを予告なしに訪問した。マリキ首相と臨んだ記者会見で、イラク人記者が「犬野郎」などと叫びながら靴を投げ付けた。大統領は危うくかわしたが、来月の退任を控え任期中最後とみられる訪問で、イラク人の根強い反米感情を見せつけられた形となった。

 バグダッドからのテレビ映像などによると、イラク政府や駐留米軍高官との会談後、イラクの治安改善や、イラク側が先に正式承認した米軍地位協定の成果を誇示するため記者会見に臨んだ大統領に対し、記者席の前から3番目の列にいた男性記者が突然立ち上がり、1足の靴を一つずつ投げ付け、大統領は身をすくめてこれをかわした。(カイロ共同)

毎日新聞 2008年12月15日 7時57分(最終更新 12月15日 8時30分)
NPO IDO-Shien Forum