Army Base Shooting
テキサス州フォートフッド


米基地銃乱射:オバマ大統領が追悼式に出席

20091111 1024分 更新:1111 1139

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10日、テキサス州フォートフッド米陸軍基地で行われた銃乱射事件の追悼式典に参加したオバマ大統領とミシェル夫人=AP

 【ワシントン古本陽荘】オバマ米大統領は10日、13人の犠牲者を出した銃乱射事件の追悼式に出席するため、事件が起きた米南部テキサス州のフォートフッド陸軍基地を訪れた。

 大統領は、集まった基地関係者ら約1万5000人を前に、犠牲者一人一人の名前と経歴を紹介したうえで、「いかなる信念もこのような残忍な行為を正当化できない」と述べ、犯行を強く非難。また、「アフガニスタンとパキスタンでも、約3000人の米国人の命を奪った過激主義者たちが今なお米国や同盟国、そして罪のないアフガン人、パキスタン人を脅かしている」と語り、連帯を呼びかけた。

 事件の動機は明らかになっていないが、米政府筋がAP通信に明らかにしたところによると、捜査機関は、陸軍少佐で精神科医のニダル・マリク・ハサン容疑者(39)が海外のイスラム過激派と連絡を取った証拠を押さえていたという。ロイター通信によると、捜査官が8日、銃弾を受け入院しているハサン容疑者から事情を聴取しようとしたが、ハサン容疑者は弁護士と面会する権利を訴えたという。


米基地銃乱射:容疑者、イスラム教徒で嫌がらせ 除隊希望

 【ワシントン大治朋子】米南部テキサス州のフォートフッド米陸軍基地で陸軍少佐の精神科医、ニダル・マリク・ハサン容疑者(39)が同僚の米兵ら13人を射殺した乱射事件で、連邦捜査局(FBI)などは6日、動機解明に向けて本格的な捜査を始めた。ハサン容疑者はイスラム教徒であることを理由に同僚の兵士から嫌がらせを受けており、従軍に不安を訴え、除隊を希望していたという。

 米メディアによると、ハサン容疑者は幼いころからのイスラム教徒で、両親はパレスチナ自治区からの移民。事件の前日から当日にかけ、1人暮らしのアパートの荷物を撤去していた。隣人に家具や新品のイスラム教の聖典コーランを譲っており、「決意の犯行」と報じられている。

 今年8月、自家用車のバンパーに張っていた「アラー・イズ・ラブ(神は愛)」と書かれたステッカーがはがされ、車も破壊された。同僚のイラク帰還兵が警察に逮捕され、イスラム教徒であるハサン容疑者への反感が理由だと分かったという。

 AP通信によると、ハサン容疑者は職場でもイラクやアフガニスタンでの米国の戦争を批判し、同僚の兵士と言い争ったこともある。オバマ大統領が米軍を早期撤退させることを期待していたが、戦場への従軍を命じられ、不安を募らせていた。除隊を希望していたとの証言もある。

毎日新聞 2009117日 1935


オバマ大統領:来日変更13、14日に 銃乱射事件追悼で

 米政府がオバマ大統領の訪日日程を13、14両日に変更するよう日本政府に打診していることが分かった。外務省幹部が7日、明らかにした。大統領は12日に来日し、13日には、シンガポールで14日から始まるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に出席するため、日本を出発する予定だった。

 外務省によると、オバマ大統領が米南部テキサス州の米陸軍基地「フォートフッド」で起きた銃乱射事件の追悼式典に出席するためだという。日本側は受け入れる方向で検討している。外務省幹部は「日程変更は打診されているが、訪日が中止になることはない」と語った。

毎日新聞 2009117日 1217分(最終更新 117日 1309分)


米基地銃乱射:PTSDなどの精神医療、軍内部に偏見

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5日、乱射事件の負傷者が収容された病院で、家族の安否を気遣う夫婦=AP

 【ワシントン大治朋子】米南部テキサス州のフォートフッド米陸軍基地で陸軍少佐の精神科医、ニダル・マリク・ハサン容疑者(39)が同僚の米兵ら13人を射殺した5日の乱射事件は、長期化するイラク、アフガニスタン両戦争で兵士が必要とするメンタルケアの課題を浮き彫りにした。オバマ政権は対策の重要性を訴えるが、現場では精神医療への偏見も根強く、治療体制の確立は進んでいない。

 ハサン容疑者の親類は米メディアの取材に「彼は、兵士の治療を通じて戦争の恐ろしい現状を目の当たりにしていた」と話した。戦闘による心的外傷後ストレス障害(PTSD)などを治療するなかで戦争を疑似体験したハサン容疑者は、初めて戦場への従軍命令を受けて不安を募らせていたものの、自分自身が治療を受ける機会は逸していたとの指摘がある。

 イラクやアフガンでの戦争では、PTSDや、爆弾攻撃により脳細胞が破壊される外傷性脳損傷(TBI)を患う兵士が急増した。オバマ政権は今春、対テロ戦争を「象徴する負傷」と位置づけ、最終的にいずれかを発症する兵士が30万人前後にのぼると推計し、治療体制を拡充すると表明した。

 しかし、現場では、軍での経歴に障害となったり、除隊を迫られることを恐れて、精神的な治療を敬遠するケースが目立つ。米精神医学会が昨春、約350人の帰還兵らを対象に行った調査によると、約半数が不眠やうつ症状を訴えたが、治療を受けた人は約1割だけ。治療を受けなかった人の多くは、目に見えない症状のため治療を求めても適切な診断が得られにくく「(兵士としての)経歴に悪影響を及ぼす恐れがあるから」と答えた。

 こうした状況を受けて、米陸軍副参謀長のピーター・シラリー大将は今月5日、陸軍の年次総会で「従軍を逃げようとする弱い兵士の訴えではない」と指摘。偏見をなくし、迅速な対応をするよう求めた。

毎日新聞 2009116日 2155分(最終更新 116日 2321分)


銃乱射:米兵、精神面の負担増 陸軍自殺率は最悪

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5日、米テキサス州フォートフッド陸軍基地の外で、基地内のデイケアセンターに残る3歳の息子を案じる母親(左)と慰める夫=AP

 【ワシントン大治朋子】米南部テキサス州のフォートフッド米陸軍基地で5日発生した乱射事件は、長引くイラクやアフガニスタンでの戦争で深刻化する米軍の疲弊ぶりの一端をうかがわせた。心的外傷後ストレス障害(PTSD)など精神的な疾患を抱える米兵は増え続け、基地内の医療施設などはカウンセリングを求める兵士であふれている。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、現場で拘束されたニダル・マリク・ハサン容疑者(39)は米南部バージニア州の大学を卒業後、「両親の反対を押し切って陸軍に入隊した」。ウォルターリード陸軍病院で研修を受け、そのまま精神科医としてPTSDなどに悩む兵士のカウンセリングを担当。今春、フォートフッド基地に異動した。

 同紙の取材を受けた親類は、ハサン容疑者が「患者から戦場の話を聞き、戦場の恐るべき現実を日々目の当たりにしていた」と指摘。イスラム教徒で、「周囲の米兵に嫌がらせを受けていた」といい、戦場への派遣を命じられ、悩んでいたという。

 今年5月には、イラクの首都バグダッドのカウンセリング施設で治療を受けていた米兵が銃を乱射、医師ら5人を射殺した。事件を受けてマレン米統合参謀本部議長は「兵士の複数回派兵の問題が問われている」と指摘。従軍期間の長期化に伴う疲弊が、兵士に大きな精神的負担を与えている現状を認めた。

 01年9月の米同時多発テロをきっかけに米国が始めたテロとの戦いは今秋、9年目を迎えた。戦闘が長期化するなか人員不足を補うため、国防総省は兵士の従軍期間を従来の1年から15カ月に延長。休息期間も2年から1年に短縮した。さらに除隊希望者には1年前後の延期を求める措置「ストップ・ロス(損失防止)」を適用し、拒否した兵士は医療保険や学費補助などを受給する権利が奪われた。

 米メディアによると、フォートフッド基地には、イラクとアフガンの戦争に計4回派遣された兵士もいる。国防総省によると、米兵の約4割が両戦争で2回以上の従軍を経験している。今年に入ってからの陸軍兵士の自殺は134件に上り、ベトナム戦争以降で過去最悪となった昨年の143件を更新する見通し。

毎日新聞 2009116日 1138分(最終更新 116日 1311分)


銃乱射:13人死亡、容疑の軍医逮捕 米テキサス陸軍基地

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5日、乱射事件の起きた米テキサス州のフォートフッド陸軍基地で負傷者を運び出す兵士らのビデオ映像=ロイター

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5日、乱射事件があった米南部テキサス州のフォートフッド陸軍基地に入る救急車=AP

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フォートフッド米陸軍基地の位置

 【ワシントン大治朋子】米南部テキサス州のフォートフッド米陸軍基地で5日午後1時半(日本時間6日午前4時半)ごろ、乱射事件があり、AP通信によると米兵ら13人が死亡、30人が負傷した。警察は陸軍少佐のニダル・マリク・ハサン容疑者(39)を現場で逮捕した。同容疑者は現場で負傷し、病院に運ばれた。兵士と家族ら計7万5000人が暮らすこの基地は陸軍最大規模で、アフガニスタンやイラクに派兵している。犯行の動機や共犯関係は分かっていない。

 AP通信などによると、米軍基地で米兵が同僚を殺害した事件としては「過去最悪規模」。ハサン容疑者は基地の医療施設で精神科医として兵士のカウンセリングなどにあたっていた。

 ハサン容疑者は午後1時半ごろ、イラクやアフガニスタンへの従軍を控えた兵士や帰還兵が身体検査などを受ける基地内の施設で、銃2丁を乱射。現場から約50メートル離れた講堂にいた市民の一人は米メディアに「銃声が聞こえ、背後から米兵たちが、乱射だ、(犯人のいる後方に)近づくな、と叫ぶ声が聞こえた」と話した。

 オバマ大統領は事件後、「米国内の基地で、兵士が銃火を受ける恐ろしい事件が起きた」と述べた。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、ハサン容疑者の両親は中東出身。容疑者自身は米南部バージニア州出身で、米国籍を持ち独身。首都ワシントンにある米陸軍病院から最近、フォートフッド基地に異動した。戦地に派遣された経験はないという。

 地元選出の米上院議員は米CNNテレビの取材に対し、「ハサン容疑者は最近、イラクかアフガンへの従軍を命じられ、不満を抱いていたと(米軍関係者から)聞いた」と話した。イスラム教徒で、仲間の米兵にいやがらせを受けていたとの証言や、イラクやアフガンでの戦争に批判的で、弁護士を雇って派遣命令に抵抗していたとの情報もある。

 AP通信は法務当局者の話として、ハサン容疑者が少なくとも半年前に、インターネット上のブログで自爆テロなどについて記述していたとみられる、と報じた。同容疑者が作者かどうか確認中という。

 フォートフッド基地はテキサス州南部の州都オースティンの北約130キロ。敷地面積は約850平方キロで、兵士約5万7000人とその家族約1万8000人が暮らしている。治安当局は事件直後、基地を封鎖した。ホワイトハウスは危機管理センターで情報を収集。連邦捜査局(FBI)も捜査に乗り出した。

毎日新聞 2009116日 941分(最終更新 116日 2012分)


銃乱射:米テキサスの陸軍基地で 11人が死亡

 米南部テキサス州オースティン北にあるフォートフッド陸軍基地で5日午後1時半(日本時間6日午前4時半)ごろ、銃の乱射事件があり、CNNテレビによると、基地当局者は11人が犠牲となり、31人が負傷したと語った。容疑者は3人の軍人で、1人が死亡、残る2人は拘束された。

 犯行の動機や状況は不明。基地の出入りに関する手続きをする施設で乱射したという。容疑者は基地内の商店に立てこもり、部隊が建物を包囲した。

 フォートフッド基地には約5万人が勤務。オースティンの北約100キロにあり、米陸軍の第3軍団の司令部がある。

 米国では銃乱射事件が相次いでおり、8月には東部ピッツバーグ近郊のフィットネスクラブで、利用客ら4人が男に撃たれ死亡、約15人が負傷した。(共同)

 ◇死亡の容疑者は陸軍少佐


 米テキサス州の陸軍基地で起きた乱射事件で、AP通信は5日、死亡した容疑者をマリク・ナダル・ハサン陸軍少佐と報じた。イスラム系とみられる。(共同)

毎日新聞 2009116日 835分(最終更新 116日 852分)






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